S&P500月例レポート(20年2月配信)<3>
注目点
○保釈中に日本を出国してベイルートに逃亡した、日産自動車とルノーS.A.の前CEOカルロス・ゴーン被告(報酬をめぐる不正行為で起訴)は、記者会見で自身の無罪を主張しました。
○フィンランドのサンナ・マリン新首相が週休3日制を提案しました。
○米投資運用会社のBlackRock(BLK)はサステナビリティ(持続可能性)に焦点をおいたETFの数を2倍の150本に増やす計画を明らかにしました。また、環境・社会・ガバナンスに関する同社の基準を満たしていないことを理由に、複数の企業をアクティブ運用のポートフォリオから除外しました。
○ニューヨーク連銀は資金需要が逼迫する年末以降も、短期資金市場への資金供給を継続しました。
○米国の2019年9月までの会計年度の財政赤字は、2012会計年度以来となる1兆ドル超となりました。
○米議会予算局は、2020会計年度の財政赤字が1兆ドルとなり、翌年度以降もこの水準が続くことを明らかにしました。また、連邦政府債務が2030年には米GDPの98%に(現在は81%)、2050年までには190%に膨らむとの予想も明らかにしました。
利回り、金利、コモディティ
○米国10年国債利回りは12月の1.92%から1.51%に低下して月末を迎えました(2019年末は1.92%、2018年末は2.69%、2017年末は2.41%)。30年国債利回りは前月末の2.39%から2.00%に低下して月を終えました(同2.39%、同3.02%、同3.05%)。
○英ポンドは12月末の1ポンド=1.3253ドルから1.3204ドルに下落し(2019年末は1.3253ドル、2018年末は1.2754ドル、2017年末は1.3498ドル)、ユーロは12月末の1ユーロ=1.1172ドルから1.1097ドルに下落しました(同1.1172ドル、同1.1461ドル、同1.2000ドル)。円は12月末の1ドル=108.76円から108.34円に上昇し(同108.76円、同109.58円、同112.68円)、人民元は12月末の1ドル=6.9633元から6.9367元に上昇して1月を終えました(同6.9633元、同6.8785元、同6.5030元)。
○原油価格は12月末の1バレル=61.21ドルから51.63ドルに下落して月を終えました(同61.21ドル、同45.81ドル、同60.09ドル)。米国のガソリン価格(EIAによる全等級)は12月末の1ガロン=2.658ドルから2.595ドルに下落して月末を迎えました(同2.658ドル、同2.358ドル、同2.589ドル)。
○金価格は12月末の1トロイオンス=1,520.00ドルから1,593.40ドルに上昇して月を終えました(同1,520.00ドル、同1,284.70ドル、同1,305.00ドル)。
○VIX恐怖指数は12月末の13.78から18.84に上昇して月末を迎えました。月中の最高は19.99、最低は11.75でした(同13.78、同16.12、同11.05)。
世界の株式市場
○1月の世界の株式市場は幅広く下落しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響が市場に波及し、企業や経済にも及び始めました。49市場中上昇したのは11市場にとどまり、12月の48市場、11月の27市場から減少しました。世界中の耳目を集めていた米中貿易問題は、新型コロナウイルス流行をめぐる懸念に取って代わられました。1月は先進国市場が新興国市場よりも良好なパフォーマンスを見せ、米国(世界の株式市場の54.12%を占める)がアウトパフォームしました。世界の株式市場は1月に1.42%下落しました。12月は3.40%上昇、11月は2.31%上昇でした。米国市場の0.25%の「若干」下落を除くと、グローバル市場は1月に2.76%の下落でした。
→過去3カ月間にグローバル市場は4.30%上昇しましたが、米国の6.11%上昇を除くと2.23%の上昇でした。過去1年間ではグローバル市場は12.01%上昇し、米国の18.11%上昇を除くと7.17%の上昇でした。より長期で見ても米国の上昇率が突出しています。過去2年間では、グローバル市場は2.03%の上昇でしたが、米国の13.22%上昇を除くと9.09%の下落でした。過去3年間ではグローバル市場は27.49%上昇し、米国の39.06%上昇を除くと15.63%の上昇でした。
○1月のまとめ
→S&Pグローバル総合指数の時価総額は8,820億ドル減少しました(12月は1兆8,840億ドル増)。米国以外の市場の時価総額は1月に7,830億ドル減少し(同1兆1,520億ドル増)、米国市場は990億ドル減少しました(同6,620億ドル増)。
→新興国市場は1月に4.34%下落し、過去3カ月間では2.03%上昇、過去1年間では3.38%の上昇となりました。
→先進国市場は1月に1.04%下落(米国を除くと2.26%下落)、過去3カ月間では4.58%上昇(同2.29%上昇)、過去1年間では14.07%の上昇(同8.30%上昇)となっています。
○セクター間のばらつきは拡大し、11セクター中6セクターが上昇しました(12月は10セクター、11月は9セクターが上昇)。パフォーマンスが最高のセクター(公益事業の6.62%上昇)と最低のセクター(エネルギーの11.17%下落)の騰落率の差は17.79%(過去1年間の平均は8.34%)と、12月の7.46%から拡大しました。2019年通年の騰落率の差は35.42%でした。
○新興国市場は1月に、全体で4.34%下落しました。12月は6.58%の上昇、11月は0.08%の上昇でした。過去3カ月間では2.03%の上昇、過去1年間では3.38%の上昇となりました。過去2年間では13.72%の下落、過去3年間では17.80%の上昇となっています。
→1月は24市場中5市場が上昇し、全24市場が上昇した12月や11月の11市場から減少しました。トルコのパフォーマンスが最高となり、1月は3.16%上昇しましたが、過去1年間では1.71%下落しています。2番目がパキスタンで1月に2.92%上昇し、過去1年間では14.95%の下落となりました。続いてエジプトが1月に1.32%上昇し、過去1年間でも14.21%上昇しています。パフォーマンスが最低だったのはハンガリーで、1月は10.69%下落、過去1年間では4.03%の下落でした。次いでパフォーマンスが振るわなかったのは南アフリカで、1月は9.37%下落、過去1年間では29.49%の下落となり、これに続くフィリピンは1月に8.53%の下落、過去1年間で8.42%の下落となりました。
○先進国市場は1月に全体で1.04%下落し、米国を除くリターンは2.26%の下落でしたが、新興国市場の4.34%下落と比べると良好なパフォーマンスとなりました。先進国市場は過去3カ月間では4.58%の上昇(米国を除くと2.29%の上昇)、過去1年間では14.07%の上昇(同8.30%上昇)となりました。過去2年間では4.04%上昇しましたが、米国を除くと7.75%の下落、過去3年間では28.70%の上昇、米国を除くと15.16%の上昇でした。
→1月は25市場中6市場が上昇し、12月の24市場、11月の16市場から減少しました。1月はイスラエルのパフォーマンスが最高となり、2.82%上昇し、過去1年間では9.80%上昇となりました。2番目がポルトガルで1月に1.46%上昇し、過去1年間では7.93%上昇しました。次いでデンマークが1月に1.39%上昇し、過去1年間では21.75%の上昇となりました。パフォーマンスが最低だったのはルクセンブルクで、1月は8.07%下落、過去1年間では24.62%下落となりました。次いでパフォーマンスが振わなかったのがノルウェーで、1月は7.36%の下落、過去1年間では5.23%下落、これに続いたのが韓国で、1月に6.01%下落、過去1年間では7.74%の下落でした。
→注目すべき点として、カナダは1月に0.85%下落(過去1年間では9.94%上昇)、日本は1.82%下落(同8.20%上昇)、ドイツは3.13%下落(同7.58%上昇)、英国は3.72%下落(同5.54%上昇)でした。
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