■11月5日(火)■日経好調。決算期に入り更に上に行くか?

著者:堀篤
投稿:2019/11/05 08:55

注目される強弱材料

 東京市場は好調かつ想定通りに推移しており、投資家視点からは、非常に安定した状態に見える。今週は、再度23000円にトライする局面があると思われるが、それほど簡単にこのラインを上回って安定することは難しいだろう。日経平均は、23000円近辺の高値圏で、変動率が下がる展開になると考える。
 その要因は、強弱二つの材料が市場に影響するだろうことと、そろそろ意識される日柄整理だ。

■強弱材料

 今週は、米国では5日にISM非製造業指数が発表されるが、直近の世界経済は、日本も含め、製造業不振、消費堅調、という構図が定着しつつある。年末商戦に向けて好調な雰囲気がある米国景気も同様で、製造業の指標が出るときは不安感が増すが、非製造業指標には期待が持てる。製造業関連指標が無い今週は、そういった意味で上昇のチャンスではある。ただし、ISM非製造業指数は、9月には低迷した指数であり、この指数の持ち直しは、株式市場上昇の最低条件だろう。
 一方で、米中貿易摩擦問題は、進捗が徐々に遅くなっていくことが考えられる。ここ数週間にわたる緊張緩和期待に、そろそろブレーキがかかる雰囲気がある。米中両国は、11月中に、知的財産を除き、部分合意をするという目標を公表しているが、ここへの過度な期待はリスキーだろう。米国では大統領選挙まで1年となり、政治的な思惑が大きくなる。このことが合意内容に対して寸前まで変数として残るからだ。部分合意に対してトランプ流駆け引きが生じるとすれば、今週ではないか。

■5G関連に注目か

 今週6日は、日本ではソフトバンクグループ、米国ではクアルコムの決算が発表になる。このイベントが、ここしばらく注目されている5G関連への期待がさらに高まる機会になる可能性がある。
 日本では、話題になっているラグビーW杯において、5Gの試験が行われ、多視点映像などが、テレビなどで紹介され、その迫力が市場に評価されつつある。来年の東京五輪・パラリンピックや、その後の商業化に向け、今回のラグビーW杯が大きな契機となる可能性がある。海外企業でも5G関連の投資が業績をけん引しているケースが多く見られ、クアルコム決算などが、国内の5G関連銘柄に影響を及ぼすかもしれない。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想