■事業概要
1. 事業内容
平山ホールディングス<7781>の事業は、製造業を主力顧客としたインソーシング・派遣事業、開発設計技術者等の派遣を行う技術者派遣事業、海外における製造派遣を主とした海外事業、その他事業の4つの事業セグメントで開示している。2019年6月期におけるセグメント別構成比を見ると、インソーシング・派遣事業が売上高の80.8%、セグメント利益の96.3%を占める主力事業となっている。
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業は従来、製造業向けを中心に事業を拡大してきたが、2018年にFUN to FUNを子会社化したことで、小売業やサービス業(外食、宿泊、物流等)向けに事業領域を拡大している。請負比率は平山が約6割、FUN to FUNが約2割(小売業向け)となっている。製造請負では、平山に所属する現場改善コンサルタント※と連携して生産性向上やコスト削減の取り組みを進めるなど、他社にはないサービスを提供することで差別化を図り顧客開拓を進めている。
※ 大手製造企業等の製造現場で改善活動に長年従事してきた経験者等で構成されており、顧客視点で問題点を改善し、技術、品質、コスト面で競争力の向上を図り、生産性の高い製造現場構築に努めている。現在常駐コンサルタントとして7〜8名、提携先も含めると10数名のコンサルタントが従事している。
製造請負のビジネスモデルは、成果物に対して発注者から報酬が支払われる契約であるため、売上高は成果物単価×生産個数(製造設備は取引先(メーカー)から賃貸)で決まる仕組みとなっている。このため、製造請負については、生産性向上を図り製造コストを当初計画より引き下げることができれば利益率が上昇し、逆に生産性が想定を下回れば利益率も低下することになる。また、元請企業の事業環境の変化によって発生する生産動向の変化(増産・減産)も変動要因となる。一方、派遣サービスの売上高は派遣人数×時給×労働時間で決まるため、利益率がほぼ一定水準となるが、競合他社との差別化は難しくなる。2019年6月期における平山の請負と派遣の粗利益率で見れば、請負のほうが若干高くなっている。
直近5期間の顧客業種別売上構成比を見ると、最も構成比の高い医療機器・医薬品は2015年6月期の54%から2019年6月期は24%まで低下している。主力顧客であるテルモ向けの売上高が横ばい圏で推移する一方で、自動車部品や食品等のその他業種・顧客向けの売上が拡大したこと、また、2019年6月期はFUN to FUNの売上が加わったことが大きい。2019年6月期の同事業の売上高は168億円、うちFUN to FUNは46億円(食品29億円、小売11億円、その他6億円)となっている。
業種別の主要顧客を見ると、医療機器・医薬品はテルモ、食品はコンビニエンスストア向け中食ベンダーであるフジフーズ(株)、自動車部品はトヨタ自動車<7203>グループや日産自動車<7201>グループ、オフィス用品はリコー<7752>グループ、小売はイオン<8267>グループの都市型小型食品スーパーマーケットであるまいばすけっと(株)、住宅設備はLIXILグループ<5938>、TOTO<5332>グループ等が挙げられ、2019年6月期における国内取引社数は508社と年々拡大している。
(2) 技術者派遣事業
トップエンジニアリングが主に展開する技術者派遣事業は、宇宙航空・自動車・鉄道・家電・精密機器などの幅広い分野のメーカーに対して、設計・開発、評価・解析等の部門に派遣を行う事業となる。取引先企業数は2019年6月期で77社となっており、1社当たり平均で数名の派遣を行っている。
(3) 海外事業
海外事業の売上の大半は、タイの現地法人平山タイとその子会社であるJSHRによる現地日系企業を対象とした製造派遣事業で占められている。国内と同様、現場改善コンサルタントと連携したサービスを提供し、現場改善を行うことができる製造派遣会社として顧客の開拓を進めている。また、平山ベトナムでは現地で技術者等の採用を進め、国内での技術者派遣事業等に活用するための人材供給拠点となっているほか、浙江健平連合企業管理コンサルティングでは、経営改善指導及び研修サービス等を行っている。
(4) その他事業
その他事業は、コンサルティング事業、有料職業紹介事業、障がい者福祉サービス事業、ファクトリーIoTソリューション事業、外国人等就労支援事業のほか、2018年12月に子会社化した平和鉄工所による機械・機具の製作・修理事業が含まれている。売上高の大半はコンサルティング事業で、製造現場における生産性向上を目的としたコンサルティングサービスのほか、海外メーカーの管理職に対して、日本国内の製造現場見学と研修サービスを合わせた「スタディツアー」等のサービスを企画、提供している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 事業内容
平山ホールディングス<7781>の事業は、製造業を主力顧客としたインソーシング・派遣事業、開発設計技術者等の派遣を行う技術者派遣事業、海外における製造派遣を主とした海外事業、その他事業の4つの事業セグメントで開示している。2019年6月期におけるセグメント別構成比を見ると、インソーシング・派遣事業が売上高の80.8%、セグメント利益の96.3%を占める主力事業となっている。
(1) インソーシング・派遣事業
インソーシング・派遣事業は従来、製造業向けを中心に事業を拡大してきたが、2018年にFUN to FUNを子会社化したことで、小売業やサービス業(外食、宿泊、物流等)向けに事業領域を拡大している。請負比率は平山が約6割、FUN to FUNが約2割(小売業向け)となっている。製造請負では、平山に所属する現場改善コンサルタント※と連携して生産性向上やコスト削減の取り組みを進めるなど、他社にはないサービスを提供することで差別化を図り顧客開拓を進めている。
※ 大手製造企業等の製造現場で改善活動に長年従事してきた経験者等で構成されており、顧客視点で問題点を改善し、技術、品質、コスト面で競争力の向上を図り、生産性の高い製造現場構築に努めている。現在常駐コンサルタントとして7〜8名、提携先も含めると10数名のコンサルタントが従事している。
製造請負のビジネスモデルは、成果物に対して発注者から報酬が支払われる契約であるため、売上高は成果物単価×生産個数(製造設備は取引先(メーカー)から賃貸)で決まる仕組みとなっている。このため、製造請負については、生産性向上を図り製造コストを当初計画より引き下げることができれば利益率が上昇し、逆に生産性が想定を下回れば利益率も低下することになる。また、元請企業の事業環境の変化によって発生する生産動向の変化(増産・減産)も変動要因となる。一方、派遣サービスの売上高は派遣人数×時給×労働時間で決まるため、利益率がほぼ一定水準となるが、競合他社との差別化は難しくなる。2019年6月期における平山の請負と派遣の粗利益率で見れば、請負のほうが若干高くなっている。
直近5期間の顧客業種別売上構成比を見ると、最も構成比の高い医療機器・医薬品は2015年6月期の54%から2019年6月期は24%まで低下している。主力顧客であるテルモ向けの売上高が横ばい圏で推移する一方で、自動車部品や食品等のその他業種・顧客向けの売上が拡大したこと、また、2019年6月期はFUN to FUNの売上が加わったことが大きい。2019年6月期の同事業の売上高は168億円、うちFUN to FUNは46億円(食品29億円、小売11億円、その他6億円)となっている。
業種別の主要顧客を見ると、医療機器・医薬品はテルモ、食品はコンビニエンスストア向け中食ベンダーであるフジフーズ(株)、自動車部品はトヨタ自動車<7203>グループや日産自動車<7201>グループ、オフィス用品はリコー<7752>グループ、小売はイオン<8267>グループの都市型小型食品スーパーマーケットであるまいばすけっと(株)、住宅設備はLIXILグループ<5938>、TOTO<5332>グループ等が挙げられ、2019年6月期における国内取引社数は508社と年々拡大している。
(2) 技術者派遣事業
トップエンジニアリングが主に展開する技術者派遣事業は、宇宙航空・自動車・鉄道・家電・精密機器などの幅広い分野のメーカーに対して、設計・開発、評価・解析等の部門に派遣を行う事業となる。取引先企業数は2019年6月期で77社となっており、1社当たり平均で数名の派遣を行っている。
(3) 海外事業
海外事業の売上の大半は、タイの現地法人平山タイとその子会社であるJSHRによる現地日系企業を対象とした製造派遣事業で占められている。国内と同様、現場改善コンサルタントと連携したサービスを提供し、現場改善を行うことができる製造派遣会社として顧客の開拓を進めている。また、平山ベトナムでは現地で技術者等の採用を進め、国内での技術者派遣事業等に活用するための人材供給拠点となっているほか、浙江健平連合企業管理コンサルティングでは、経営改善指導及び研修サービス等を行っている。
(4) その他事業
その他事業は、コンサルティング事業、有料職業紹介事業、障がい者福祉サービス事業、ファクトリーIoTソリューション事業、外国人等就労支援事業のほか、2018年12月に子会社化した平和鉄工所による機械・機具の製作・修理事業が含まれている。売上高の大半はコンサルティング事業で、製造現場における生産性向上を目的としたコンサルティングサービスのほか、海外メーカーの管理職に対して、日本国内の製造現場見学と研修サービスを合わせた「スタディツアー」等のサービスを企画、提供している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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