ドル/円はユーロ/円の動きがカギに
昨日のドル/円は終値ベースで約0.3%上昇して3日続伸。米中の通商問題を巡る対立激化への懸念が和らぐ中、緩やかに円安が進行するとNY市場終盤には約6週間ぶりに107.86円前後まで上値を伸ばした。なお、昨日は世界的に株価が上昇した一方で長期金利の上昇は一服しており、米10年債利回りは節目の1.75%付近で伸び悩んだ。このところの円安を主導してきた「悲観の修正」による債券売り(長期金利上昇)は一巡した可能性がある。ここからは、本日の欧州中銀(ECB)から来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合へと続く各国の金融政策イベントがメインテーマとなりそうだ。まずは、本日のECBの決定に注目したい。市場は、政策金利の10bp(0.10%)引き下げとフォワードガイダンスの強化(金融緩和の長期化に向けた指針)を確実視しているが、量的緩和(QE)の再開については見方が分かれている。ECBの決定を受けた独・仏長期金利の動向は、米長期金利にも影響を及ぼすだろう。その結果、ユーロ/円の動きがドル/円にも波及しやすいと考えられる。