■萩原工業<7856>の中長期の成長戦略
1. 中期経営計画「DH56」
3ヶ年中期経営計画「DH56」が、2018年10月期をもって終了した。次期中期経営計画は、策定中である。
(1) 中期経営計画の達成度
3ヶ年中期経営計画「DH56」は、最終年度となる2018年10月期の数値目標として売上高27,000百万円、経常利益2,800百万円、売上高経常利益率10.4%を掲げていた。実績は、売上高が26,457百万円、経常利益が2,781百万円、売上高経常利益率が10.5%であった。計画比では、売上高が2.0%減、経常利益が0.7%減であったことから、誤差の範囲内と言って差し支えない。
(2) 基本方針
前中期経営計画では、新たな成長を実現していくために、スローガンを「Dynamic HAGIHARA 56(DH56)果敢に挑戦、新たな躍動」としていた。基本方針は、1)戦略製品の販売強化と市場開拓、2)海外売上の拡大、3)ものづくりプロセスの再構築、4)新技術融合による顧客価値の創造、である。それらの方針の中には継続案件があり、次期中期経営計画に引き継がれる公算が大きい。創業者の精神である「おもしれえ 直ぐやってみゅう」というパイオニア精神は、「当たり前をハミダセ。そして新たな価値をアミダセ。」の「ハミダセ、アミダセ。」というコーポレートスローガンに継承されている。
2. 生産体制の再構築
現在、国内工場は岡山県内に4ヶ所ある。工場間の動線改善を目的の1つとして、工場の再編を検討している。2019年1月に、岡山県から笠岡港工業用地(笠岡市)11万4千m2を911百万円で取得した。用地取得には、補助金などの優遇措置が受けられる。新工場の建設は、2019年10月期の計画には入っていない。次期中期経営計画の柱の1つとなるだろう。新たな拠点で、製造設備の更新を進め、能力増強と一層のコストダウンを図る。2018年10月期は、設備投資額の998百万円に加えてM&Aに関する支出が2,304百万円(買収子会社保有現預金差し引き後)あった。2019年10月期は、設備投資として2,000百万円程度を見込んでいる。減価償却費は、前期の1,054百万円から1,100百万円へ小幅増となる。
3. 製品開発戦略
生産技術の向上によるコストダウンや既存製品の改良だけでなく、「切る、伸ばす、巻く、織る」の中核技術を使い従来の常識を超える新製品の開発に従事している。機械製品事業では、若手技術者を参加させ、デザイン工学の手法を取り入れ、操作がしやすい上、意匠性に優れた製品の開発を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 中期経営計画「DH56」
3ヶ年中期経営計画「DH56」が、2018年10月期をもって終了した。次期中期経営計画は、策定中である。
(1) 中期経営計画の達成度
3ヶ年中期経営計画「DH56」は、最終年度となる2018年10月期の数値目標として売上高27,000百万円、経常利益2,800百万円、売上高経常利益率10.4%を掲げていた。実績は、売上高が26,457百万円、経常利益が2,781百万円、売上高経常利益率が10.5%であった。計画比では、売上高が2.0%減、経常利益が0.7%減であったことから、誤差の範囲内と言って差し支えない。
(2) 基本方針
前中期経営計画では、新たな成長を実現していくために、スローガンを「Dynamic HAGIHARA 56(DH56)果敢に挑戦、新たな躍動」としていた。基本方針は、1)戦略製品の販売強化と市場開拓、2)海外売上の拡大、3)ものづくりプロセスの再構築、4)新技術融合による顧客価値の創造、である。それらの方針の中には継続案件があり、次期中期経営計画に引き継がれる公算が大きい。創業者の精神である「おもしれえ 直ぐやってみゅう」というパイオニア精神は、「当たり前をハミダセ。そして新たな価値をアミダセ。」の「ハミダセ、アミダセ。」というコーポレートスローガンに継承されている。
2. 生産体制の再構築
現在、国内工場は岡山県内に4ヶ所ある。工場間の動線改善を目的の1つとして、工場の再編を検討している。2019年1月に、岡山県から笠岡港工業用地(笠岡市)11万4千m2を911百万円で取得した。用地取得には、補助金などの優遇措置が受けられる。新工場の建設は、2019年10月期の計画には入っていない。次期中期経営計画の柱の1つとなるだろう。新たな拠点で、製造設備の更新を進め、能力増強と一層のコストダウンを図る。2018年10月期は、設備投資額の998百万円に加えてM&Aに関する支出が2,304百万円(買収子会社保有現預金差し引き後)あった。2019年10月期は、設備投資として2,000百万円程度を見込んでいる。減価償却費は、前期の1,054百万円から1,100百万円へ小幅増となる。
3. 製品開発戦略
生産技術の向上によるコストダウンや既存製品の改良だけでなく、「切る、伸ばす、巻く、織る」の中核技術を使い従来の常識を超える新製品の開発に従事している。機械製品事業では、若手技術者を参加させ、デザイン工学の手法を取り入れ、操作がしやすい上、意匠性に優れた製品の開発を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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