翻訳センター Research Memo(2):翻訳業界国内トップ。医薬・工業・特許・金融など専門性の高い産業翻訳に強み

配信元:フィスコ
投稿:2019/07/10 16:02
■会社概要

1. 会社概要
翻訳センター<2483>は、翻訳業界の国内最大手である。医薬分野の専門翻訳会社として創業し、工業・ローカライゼーション、特許、金融・法務など専門性の高い産業翻訳分野で領域を拡大してきた。現在は翻訳だけでなく、通訳、派遣、国際会議運営(コンベンション)、通訳者・翻訳者教育などに多角化し、顧客企業のグローバル展開における幅広い外国語ニーズに対応する。多数の中小プレーヤーがひしめく分散した業界において、同社はいち早く専門分野に特化し、組織化・システム化された営業・制作機能を整備した。品質、スピード、コストのバランス、大規模案件対応や多言語化対応で他社の一歩先を行く。国内翻訳業界1位はもちろん、世界の語学サービス企業でも上位のポジションである。取引会社数は約4,300社、年間受注件数は約57,000件。取扱言語数は約80と多言語に対応しているが、約80%は日本語と英語間での翻訳である。

2. 沿革
同社は、1986年に医薬専門の翻訳会社として大阪で設立された。その後、工業分野・特許分野などに翻訳の専門領域を拡大し、2006年には翻訳会社で初の株式上場を果たす。その後も海外及び専門分野の子会社の設立により業容を拡大。2012年には(株)アイ・エス・エスをグループ会社化し、通訳事業・派遣事業・コンベンション事業などを加え、フルラインのランゲージサービスを提供するに至っている。2015年4月には多言語コンタクトセンター事業を行うランゲージワン(株)(持分法適用会社)を設立。2017年10月には、ニューラルネットワークによる機械翻訳(NMT:Neural Machine Translation)の技術を持つ(株)みらい翻訳に資本参加(持分比率11.3%)すると同時に、翻訳事業を手掛ける(株)メディア総合研究所を100%子会社化した。現在グループ会社は海外を含めて7社である。

3. 事業構成
主力の翻訳事業は、売上高構成の70.8%(2019年3月期)、営業利益構成の89.7%(同、調整前)を占め、同社の大黒柱である。翻訳事業はさらに顧客業種別に分かれ、医薬(2019年3月期の売上構成比24.1%)、工業・ローカライゼーション(同22.7%)、特許(同17.8%)、金融・法務(同6.2%)に分類される。

翻訳事業以外では、派遣事業(売上構成比9.9%)、通訳事業(同8.7%)、コンベンション事業(同5.6%)、とランゲージサービスを総合的に展開する。前期まで報告セグメントだった「語学教育事業」は、量的な重要性が低下したために「その他」に統合された。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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