FRBが利下げの検討に着手との報道も=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2019/06/07 09:00

FRBが利下げの検討に着手との報道も

昨日のドル/円は欧州市場で一時108.00円台まで弱含んだが、NY市場中盤に「米政権が対メキシコ関税発動の先送りを検討」と報じられると5月31日以来の高値となる108.50円台へと反発。しかし、引け間際にホワイトハウス報道官が「メキシコ関税計画は変わっていない」とコメントすると上げ幅を削り、ほぼ横ばいの108.40円前後でクローズした。

米国の対メキシコ関税発動を来週10日に控え、引き続き両国の協議の行方が注目されよう。一方、本日は米5月雇用統計にも市場の注目が集まりそうだ。米WSJ紙は、米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げの検討に着手する可能性があると報じている。なお、FRBのブレイナード理事は5日のインタビューで「労働市場の健全性のシグナルとして雇用者数の変化を注視する」と述べた。5月雇用統計で雇用者数の伸びが予想以上に鈍れば、利下げ観測を強めつつドルが売られる事になるだろう。なお、米5月非農業部門雇用者数の市場予想は17.5万人増となっており、4月は26.3万人増だった。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想