いったん撤退 - ただ“108円割れ”には新たな材料が必要…?

著者:武市佳史
投稿:2019/06/03 11:02

◆壁決壊 - リスク回避姿勢が席巻

※ご注意:予想期間は6月4日と表示されていますが、本日(6月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


うぎゃー、109円の壁決壊…。

「トランプ大統領発言(メキシコ関税強化)」は“世界的な株価下落/債券急上昇(利回りは急低下)”に波及し、一気に“リスク回避⇒円買い”へと傾斜しました。
年初来高値更新を見せていたドル指数が“失速”したことも、“ドル売り”となって後押ししたと見られるところです。
こうしてドル円は“緩やかに”、しかし“段階的に”ストップロスを絡めながら、“108.340円”へと下値を拡大していきました。

◆「往くところまで往ってしまわないと…」は頭をよぎるが…?

想定した「テクニカルポイントを巡る攻防戦」どころか、「完全に底割れ」してしまったドル円…。
日足に続き、「週足でも雲割れ」を起こしていますので、テクニカル的には芳しいところが見当たりません。

ただ「フラッシュクラッシュ時安値(1/3)をどこに見るか…?」で変わってきますが、Bloomberg/Reuters基準で見れば“50%押し(108.649円水準)”はすでに到達済みです。
“-2σ(本日は108.470円)”もすでに下回っていますので、「往き過ぎ感」は随所に見られています。
「なかなか止まらない」「往くところまで往ってしまわないと…」との懸念は頭をよぎりますが、108円割れには新たな材料が必要…?

大きく見誤ったばかりですので「いったん撤退」「様子見」が基本ということになりますが、下方向を志向するにしても「108円前半を叩く」というのは…。

もちろん現時点では、「あくまでポジション調整の範囲内」も出ないのでしょうが…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:109.132(5/30~5/31の50%戻し)
上値4:109.000(大台)
上値3:108.945(5/30~5/31の38.2%戻し)
上値2:108.714(5/30~5/31の23.6%戻し)
上値1:108.483(-2σ)
前営業日終値:108.340(5/31安値、月足・一目均衡表先行スパン下限)
下値1:108.116(1/15安値)
下値2:107.985(1/14安値、大台、ピボット1stサポート)
下値3:107.771(1/10安値、1/3~4/24の61.8%押し※)
下値4:107.510(1/4安値、ピボット2ndサポート)
下値5:107.000(大台)

注:1/3安値をBloomberg/Reuters安値の104.90円水準で設定


※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:20 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想