週末そして月末 -テクニカルポイントを巡る攻防戦…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/05/31 10:41

◆上値伸ばすも、弱材料続出で反落…

※ご注意:予想期間は6月1日と表示されていますが、本日(5月31日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「米中懸念が一服」する中、「株価/債券利回りの切り返し」は続きました。
“金利/リスクの双方”から円売り戻し圧力が高まった昨日は、NYタイム序盤にかけて“109.924円”へと上値を伸ばす場面も見られました。

しかしながら“戻り”もここまで…。
「米中懸念の蒸し返し(中国商務省:米大豆の輸入停止を示唆、ペンス副大統領:対中関税は倍以上に上げられる発言)」、
「米金利先安観も再燃(クラリダFRB副議長:インフレ低迷長期化ならば利下げ検討発言)」で急速に上値を削り、
「リスク回避姿勢の再燃(トランプ大統領:メキシコ関税の強化発言)」がダメを押しました。
“109円半ば”で昨日の取引を終えたドル円は、東京タイムに入って“109.20円水準”へと下値を拡大するに至っています。

◆「ひとまず下値確認」の後、「ひとまず上値確認」…?

「ひとまず下値確認」から反発していたドル円でしたが、昨日高値はポイントの“5/21~5/28の50%戻し(109.939円)”とほぼ合致します。
“110円手前”で押さえ込まれた動きは「ひとまず上値確認」と見ざるを得ないだけに、次なるリスクは「再び下方向」と見るのが自然です。
それでも本日は“週末”、それも“月末”とも重なっています。
「テクニカル的な落とし処」を探ると見るのがより自然であり、「一方的な動き」はやはり限定されると考えます。

◆「ヘッドラインで振り回される(揺れ動く)」は続く…!?

週ベースのポイントは、引き続き“週足・一目均衡表先行スパンの雲下限(109.590円)”。
一方で月ベースでのポイントは、“月足・一目均衡表基準線-転換線(109.683-818円)”。
いずれも“109円半ば~後半”に固まっています。
これを死守(維持)できれば「来週(来月)以降の反発」が期待される反面、できなければ「中期的に下落トレンド入り」をテクニカル的には覚悟せざるを得なくなってきます。

基本は「ヘッドラインで振り回される(揺れ動く)」であり、引き続き「大きくは崩れない」と見ますが、果たして…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:110.089(5/21~5/29の61.8%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:110.000(大台)
上値3:109.924(5/30高値、日足・一目均衡表転換線、5/21~5/29の50%戻し水準、ピボット1stレジスタンス)
上値2:109.824(20日移動平均線、月足・一目均衡表転換線)
上値1:109.683(月足・一目均衡表基準線)
前営業日終値:109.618(週足・一目均衡表先行スパン下限)
下値1:109.470(5/30安値、週足・一目均衡表基準線、5/29~5/30の61.8%押し水準)
下値2:109.382(-1σ、ピボット1stサポート)
下値3:109.217(ピボット2ndサポート)
下値4:109.144(5/14-15安値、5/29安値)
下値5:109.000(大台、5/13安値、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:58 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想