【これからの見通し】読みづらい米中貿易戦争相場、悪材料一巡で政策対応期待も

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/05/20 15:42
【これからの見通し】読みづらい米中貿易戦争相場、悪材料一巡で政策対応期待も

 先週末の米国株式市場は軟調に取引を終えていた。米中貿易戦争の様相が強まっており、ファーウェイ関連の報道が多く報道されている。週明けは米グーグルがファーウェイへの一部ビジネスを停止するとの報道があった。週明けの香港・上海株式市場は売りが優勢になっており、上海株はハイテク株主導で下落、1週間ぶりの安値水準を付けている。

 ただ、米中貿易戦争関連の報道が一巡すると、市場の動きは読みづらくなりそうだ。米国ではそろそろ次回の大統領選が意識されており、トランプ陣営からは景気浮揚策が打ち出されやすくなっている。それと同時に、米金融当局に対する利下げへのプレッシャーがかかりやすい。市場では、先行的に利下げ期待が織り込まれてくる可能性があろう。

 週明けの米株先物は反発している。日経平均は今日発表されたGDP成長が予想を上回ったこともあり、51円高と続伸して引けた。週末の豪州総選挙では予想外に与党側が勝利をおさめたと報じられており、豪ドルや豪州株が上昇している。インド株も下院選挙の出口調査で与党連合が過半数議席を獲得する見込みと報じられたことで買われている。NY原油先物は中東情勢の緊張を受けて上昇、63ドル台で取引されている。

 このあとの海外市場では主要な経済指標発表に欠けている。ユーロ圏経常収支(3月)が発表される程度となっている。発言関連は、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、ブロードベント英中銀副総裁、クラリダFRB副議長、ウィリアムズNY連銀総裁などの講演、イベント参加が予定されている。あす東京早朝にはパウエルFRB議長の講演も予定されている。前述したように、市場では米中貿易戦争への対応として米金融当局に利下げ圧力がかかりやすくなっており、金融当局者の発言でその期待値が敏感に動きそうだ。 

 欧州・ロンドン市場では、英EU離脱関連に加えて23日から始まる欧州議会選関連の報道が注目される。かなり前から欧州ではポピュリズム勢力の伸長が警戒されている。東京市場では、26日に実施されるフランスでの欧州議会選でルペン党首率いる極右政党国民連合が24%、マクロン大統領率いる与党連合が22.5%の支持率との調査結果が報じられていた。ロンドン勢がユーロ売りで参入するのかどうかが注目されよう。


minkabu PRESS編集部 松木秀明

このニュースはみんかぶ(FX/為替)から転載しています。

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