“上値が重い”が囃されやすい局面、再来だが…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/03/04 11:19

◆112円回復 - ドル円

※ご注意:予想期間は3月5日と表示されていますが、本日(3月4日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


前日(28日)の米GDPに続き、先週末の中Caixin製造業PMIも強め(49.9)となりました。
この影響もあって“株高の連鎖⇒リスク選好姿勢”は続き、NYタイム終盤には昨年12/20以来となる“112円台”へと上値を伸ばしました。
もっとも上昇スピードは“極めて緩やか”であり、112円ライン付近では“上値を押さえられ”続けました。

◆いつ“上値達成感”が台頭してもおかしくない…?

その後に『貿易に悪影響を及ぼすドル高は望まない(トランプ米大統領)』という“口先介入”が跳び出していますが、現時点で目立った反応は見られておりません(一時111.80円割れへ値を落とした程度)。
一方で「中国全国人民代表大会(全人代)」が明日(5日)から開催されるスケジュールを考えると、“景気支援策発表⇒リスク選好姿勢”へと思惑はつながりやすいと考えることは可能です。

すでに「112円台を回復」していますので、いつ“上値達成感”が台頭してもおかしくない状況であるのは事実です。
また前記「口先介入」がありますので、ここからは“上値が重い”に対する期待感も存在することになり、そうなると「(ここから上は)そう簡単ではない」ということになります。

◆ただ“ドル売りポジション”は残りやすい…!?

ただテクニカル的に見ると、112円台は「“200週移動平均線(本日は112.314円)”くらいしか目立つテクニカルが見当たらない」という、いわゆる“真空地帯”になります。
そうした中、追い詰められた側(売り方)は「(期待を持ち、なかなか踏ん切りがつかない」、結果的に「ドル売りポジションは残りやすい」になりやすく、これを追い詰める側(買い方)が「黙って放っておく」とは思いづらい…?

「上値が押さえられやすい=上値が重い」が囃されやすいは事実ですが、引き続き「ポジション調整のみの急落は期待薄」「仕掛け的な円買いも入りづらい」を基本として、臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.660(18/12/19-20高値)
上値4:112.532(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:112.314(200週移動平均線)
上値2:112.235(ピボット1sレジスタンス)
上値1:112.075(3/1高値)
前営業日終値:111.939
下値1:111.720(3/1安値後の50%押し)
下値2:111.639(3/1NYタイム安値、3/1安値後の61.8%押し)
下値3:111.533(3/1安値後の76.4%押し、ピボット1stサポート)
下値4:111.418(2/27~3/1の38.2%押し、100日移動平均線)
下値5:111.322(3/1安値、200日移動平均線、20週移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:58 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想