■要約
プロスペクト<3528>の起源は、繊維事業を行っていた井波機業株式会社であったが、1994年に繊維事業から撤退し、事業の主力を不動産事業(主にマンション分譲)に転換した。その後、一時期はマンション開発大手の大京<8840>グループに属していたが、2007年に自主独立経営を開始、ファンドとして同社への投資を行っていた旧プロスペクトのオーナー社長であったカーティス・フリーズ氏が2010年に同社の代表取締役社長に就任した。それからはM&Aにより建設事業、注文住宅事業などへ事業を拡大し、現在では不動産販売事業(マンション分譲、土地建物、注文住宅)、アセットマネジメント事業、建設事業、ソーラー発電を含む再生可能エネルギー事業などの幅広い事業を行っている。(なお、カーティス・フリーズ氏は2019年3月期第2四半期決算の四半期報告書提出遅延にかかる混乱の責任を取り2018年12月13日付で代表取締役を退いたが、今後は取締役兼CIO(チーフインベストメントオフィサー)としてプロジェクトの陣頭指揮を執る。)
1. 2019年3月期第2四半期業績(実績)
2019年3月期第2四半期業績※の連結業績は、売上高3,380百万円(前年同期比3.1%減)、営業損失1,907百万円(前年同期1,006百万円の損失)、経常損失1,483百万円(同295百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,569百万円(同1,869百万円の利益)となった。営業損失となった最大の理由は、2017年7月に子会社化したThe Prospect Japan Fund Limited(以下、TPJF)が株式市場の下落により大幅な評価損を計上したことによる。しかし現金の流出を伴う損失ではなく、あくまで評価損なので、手元資金への影響は少ない。それ以外の各事業セグメントはほぼ計画どおり推移した。
2. 2019年3月期見込み:会社予想はなし、配当予想は修正なし
同社は、「事業多角化戦略としてM&Aを積極採用しており、また重要なセグメントの一つとしてアセットマネジメント事業を展開している。これらは経済情勢や市場環境の変動による影響を大きく受ける傾向にあることから、通常の業績を適正に予想し開示することが極めて困難なため、開示しない方針」と述べており、したがって通期の連結業績予想は開示されていない。しかし上期の業績が不振であったことから、通期業績も営業損失の可能性はあるが、要因が評価損であることから期末の株価水準によっては改善する可能性もある。一方で、親会社ベースでは利益を計上する(配当原資を確保できる)可能性が高いこと、さらには何らかの資産売却を行うことで最終損失を埋めることも可能であることなどから、年間配当については公約どおりに実行される見込みだ。
■Key Points
・不動産関連を中心に建設、投資顧問業、再生可能エネルギー関連など幅広い事業を行う複合企業
・再生可能エネルギー関連事業を成長ドライバーに、M&Aも積極的に推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
プロスペクト<3528>の起源は、繊維事業を行っていた井波機業株式会社であったが、1994年に繊維事業から撤退し、事業の主力を不動産事業(主にマンション分譲)に転換した。その後、一時期はマンション開発大手の大京<8840>グループに属していたが、2007年に自主独立経営を開始、ファンドとして同社への投資を行っていた旧プロスペクトのオーナー社長であったカーティス・フリーズ氏が2010年に同社の代表取締役社長に就任した。それからはM&Aにより建設事業、注文住宅事業などへ事業を拡大し、現在では不動産販売事業(マンション分譲、土地建物、注文住宅)、アセットマネジメント事業、建設事業、ソーラー発電を含む再生可能エネルギー事業などの幅広い事業を行っている。(なお、カーティス・フリーズ氏は2019年3月期第2四半期決算の四半期報告書提出遅延にかかる混乱の責任を取り2018年12月13日付で代表取締役を退いたが、今後は取締役兼CIO(チーフインベストメントオフィサー)としてプロジェクトの陣頭指揮を執る。)
1. 2019年3月期第2四半期業績(実績)
2019年3月期第2四半期業績※の連結業績は、売上高3,380百万円(前年同期比3.1%減)、営業損失1,907百万円(前年同期1,006百万円の損失)、経常損失1,483百万円(同295百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失1,569百万円(同1,869百万円の利益)となった。営業損失となった最大の理由は、2017年7月に子会社化したThe Prospect Japan Fund Limited(以下、TPJF)が株式市場の下落により大幅な評価損を計上したことによる。しかし現金の流出を伴う損失ではなく、あくまで評価損なので、手元資金への影響は少ない。それ以外の各事業セグメントはほぼ計画どおり推移した。
2. 2019年3月期見込み:会社予想はなし、配当予想は修正なし
同社は、「事業多角化戦略としてM&Aを積極採用しており、また重要なセグメントの一つとしてアセットマネジメント事業を展開している。これらは経済情勢や市場環境の変動による影響を大きく受ける傾向にあることから、通常の業績を適正に予想し開示することが極めて困難なため、開示しない方針」と述べており、したがって通期の連結業績予想は開示されていない。しかし上期の業績が不振であったことから、通期業績も営業損失の可能性はあるが、要因が評価損であることから期末の株価水準によっては改善する可能性もある。一方で、親会社ベースでは利益を計上する(配当原資を確保できる)可能性が高いこと、さらには何らかの資産売却を行うことで最終損失を埋めることも可能であることなどから、年間配当については公約どおりに実行される見込みだ。
■Key Points
・不動産関連を中心に建設、投資顧問業、再生可能エネルギー関連など幅広い事業を行う複合企業
・再生可能エネルギー関連事業を成長ドライバーに、M&Aも積極的に推進
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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