“押さえられやすい”は継続も、もう少しで“慌て出す”…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/01/17 10:29

◆終値ベースで109円回復 - ドル円

※ご注意:予想期間は1月18日と表示されていますが、本日(1月17日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「英下院採決・大差で否決」後の巻き戻しが続く中、昨日は米大手金融機関決算(ゴールドマンサックス/バンカメ)が事前予想を上回りました。
好感したNYダウは続伸し、“昨年12月13日以来の24207ドル(+141ドル)”で引けています。

一方、ベージュブック〈米地区連銀経済報告〉では「8地区で緩やかもしくは穏やかな経済成長を確認」とされており、懸念された米景気後退の兆候は見られませんでした。
前回内容を踏襲したものですので“ドル買い”に大きく傾斜するものではありませんが、米10年債利回りが2.72%へ上昇するにつれて、ドル円は“終値ベースで109円を回復”しています。

なおもう一つの注目(メイ英内閣に対する不信任決議)は、接戦ではあったものの、想定通り“反対多数(賛成:325、反対:306)”で否決されています。

◆“このまま上値を追う”が想定しづらいが…?

もちろん「米利上げ休止観測」が払拭されたわけではなく、「米政府機関の一部閉鎖」も長引いていることを考えれば、“このまま上値を追う”が想定しづらいのは事実です。
下方向を志向する向きの“慌てている素振り”は見られておらず、“上値は押さえられやすい”も継続していると考えるのが自然な局面でもあります。
しかしながら「リスク回避姿勢(警戒感)が後退」しているのも事実であり、それでいて「今週最大のイベント(英議会採決)」は無事に通過しました。

「20日移動平均線(本日は109.379円)/日足・一目均衡表基準線(同109.397円)をバックにした戻り売り」を目先は警戒する局面ではありますが、
引き続き「大きくは崩れない(下値は浅い)」「戻り売りではなく、押し目買い」を基本に臨みたいところです。
同ラインを超える場面があれば、下方向を志向する向きも“さすがに慌て出す”…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:109.770(週足・一目均衡表先行スパン上限/基準線)
上値4:109.683(週足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:109.561(週足・一目均衡表転換線)
上値2:109.397(日足・一目均衡表基準線、20日移動平均線、ピボット1sレジスタンス)
上値1:109.193(1/16高値)
前営業日終値:109.095
下値1:108.878(1/16安値後の38.2%押し)
下値2:108.780(1/16安値後の50%押し)
下値3:108.650(1/10~1/16の38.2%押し、1/16安値後の61.8%押し、ピボット1stサポート)
下値4:108.482(1/10~1/16の50%押し、日足・一目均衡表転換線)
下値5:108.368(1/16安値、1/10~1/16の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:56 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想