今の相場展開が、今年初めの動きと極似

著者:堀篤
投稿:2018/11/12 12:00

日経平均は再度、21000円割れを目処に調整する、という見通しが有力となる可能性がある

■今年年初の動きを忠実に再現する日経平均

日々、日経平均のチャートとにらめっこをしている人たちは、今の相場にそろそろ恐怖を感じ始めているかもしれない。
それというのも、今の相場展開が、今年初めの動きと極似しているからだ。
今年1月23日の日経平均高値は24129円、その後の安値(2月14日)が20950円、その後の戻り高値(2月27日)は22502円だった。これに対応するかのように、今年10月2日高値は24448円、その後の安値は20971円(10月26日)、今回先週木曜日の高値(11月8日)が戻り高値だとすると、その値は22583円だ。
問題は、この後の展開だ。前回のときは、戻り高値の22502円のあと、再度、20937円まで二番底へ下落している。
しかも、その動きに要する日数もまた、ほぼ同じ日数(最初の高値から戻り高値まで、前回は35日、今回は39日)で上下している。
もしこの通りの動きを今回もなぞるのなら、日経平均株価は、ここからわずか1週間で、1000円幅の下落することになる。金曜日までなら、まだ漠然とした不安感、で済ませることができた人も多いだろうか、先週末のNY市場の下落(−201.92$)を見た投資家たちは、そろそろその現実味を感じ始めているだろう。
根拠も何もない、ただの「経験則」にすぎないが、この恐怖感は現実となるのだろうか。

■下値は仕込み時という割り切りが利益を呼ぶ

例え根拠がないことであっても、多くの人がそれを受け入れてしまえば、それは現実となる。それが相場というものだ。だとすれば、日経平均は再度、21000円割れを目処に調整する、という見通しが有力となるだろう。
その根本的な要因は、米国金利の上昇であり、それに値しない米国景気の減速懸念だ。
もし米国金利の上昇が、米国景気の強さと企業業績の好調さという裏付けを持っているなら、相場は決してそれを原因として下落はしないだろう。しかし、トランプ政権の強気が、米中貿易摩擦を高め、米国景気を潜在的に弱めているという懸念だけは、市場に伝わっている。その点について、なぜFRBが認めないのか、その点について投資家は若干いらだっているのだ。
そして、この状況が、新たな相場の在り方をつくる可能性はある。それが、ドル高下のNY株安と東京市場の株高だ。いずれはそれが現実になるとすれば、ここで下値につっこむ局面は、中期的な視野で、大きなチャンスとなるだろう。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想