欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、米利上げは織り込み済み

配信元:フィスコ
投稿:2018/09/25 17:25
25日の外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。今晩から開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で今年3回目の利上げが織り込まれ、ドル売りは後退する見通し。ただ、過度の引き締めへの警戒も出始めており、積極的なドル買いは手控えられるだろう。

前日の海外市場では、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁が欧州議会委員会で、ユーロ圏経済の先行きの見通しにやや強気の見解を示し、ユーロ・ドルは抵抗線として意識される1.18ドルを一時回復。その後、米長期金利の上昇を受けてユーロ・ドルは失速する一方、ドル・円は112円80銭台に押し上げられた。また、トルコで拘束中の米国人牧師が解放される見通しとなり、米トランプ政権による制裁の回避を見込んだトルコリラ買いが強まり、ドル・円やクロス円を押し上げた。本日のアジア市場でもその流れを受け継ぎ、日経平均株価の上昇を手がかりとした円売りで、ドル・円は7月以来2カ月ぶりの113円台に一時接近した。

今晩も、米中通商摩擦による貿易環境の悪化やブレグジットに関する英国内外の不透明感に対する警戒から、クロス円はいつ円買いに振れてもおかしくない状況が続く。ただ、過度の懸念が後退するなか、株価に大きな波乱がなければ円以外の主要通貨は買い戻しが見込まれる。一方、ドル・円に関しては、23時発表の米国の9月消費者信頼感指数が手がかりとなる。前月よりも低下する見通しだが、2000年以来の高水準を維持できれば、個人消費が景気をけん引する足元の状況を好感したドル買いが入りそうだ。ただし、FOMCでの利上げは織り込まれ、また慎重な意見も予想されるため、ドル買いは小幅にとどまろう。ドル・円は113円台回復の可能性もあるが、7月のトランプ大統領による113円10銭台でのドル高けん制発言が想起され、積極的には買いづらい面もある。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・22:00 米・7月FHFA住宅価格指数(前月比予想:+0.3%、6月:+0.2%)
・22:00 米・7月S&PコアロジックCS20都市住宅価格指数(前年比予想:+6.20%、6月:+6.31%)
・23:00 米・9月消費者信頼感指数(予想:132.1、8月:133.4)
・23:00 米・9月リッチモンド連銀製造業指数(予想:20、8月:24)
・02:00 米財務省5年債入札(380億ドル)
・米連邦公開市場委員会(FOMC、26日まで)
・日米通商協議(FFR、ニューヨーク)
・日米欧貿易相会合

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配信元: フィスコ