“米中貿易戦争懸念”のみの下値模索は「力不足」…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/08/03 10:34

◆概ね“レンジ内での揺れ”

※ご注意:予想期間は8月4日と表示されていますが、本日(8月3日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“米中貿易戦争懸念”を背景にしたリスク回避フローは続きましたが、昨日は“ユーロ売り”主導の展開でした。
このため「FOMC声明はタカ派寄り」「月末要因のドル売りも一服」、さらには「崩れていた米ハイテク株が回復基調(アップルは米上場企業初の時価総額1兆ドル突破)」という後押し材料を持つ“ドル”への影響は軽微でした。
想定した通り、“前日レンジ内での揺れ”で概ね留まり、“次なる材料を待っている”状況といえます。

◆“米雇用統計”での急上昇は「期待薄」、“米中貿易戦争懸念”のみの下値模索は「力不足」

本日は米雇用統計が予定されていますが、金利先物から見た『年内あと2回(計4回)利上げ』の確率はすでに“70%”を超してきています。
こうなると「注目度は低下している」といわざるを得ず、「大きな変動は期待薄」と考えるのが自然ということになります。

それでも“いわゆるドル一強”を後押しする要因となる可能性は否めず、少なくとも冒頭で記した“米中貿易戦争懸念”のみでの下値模索は「力不足」と考えます。
「新規ポジションは手控えられる(このまま膠着)」という可能性は残りますが、やはり「大きく崩れるは期待薄」「押したところは買い拾い」と見て、対峙したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.232(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:112.147(8/1高値、7/19~7/26の61.8%戻し)
上値3:112.000(大台、8/1~8/2の76.4%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.830(8/1~8/2の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:111.733(8/2高値、20日移動平均線、日足・一目均衡表基準線)
前営業日終値:111.649
下値1:111.493(8/2安値後の61.8%押し)
下値2:111.405(週足・一目均衡表先行スパン上限、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値3:111.317(8/2安値)
下値4:111.184(7/26~8/1の61.8%押し、週足・一目均衡表転換線、ピボット2ndサポート)
下値5:111.000(大台、週足・一目均衡表先行スパン下限、ピボットローブレイクアウト)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:00 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想