リスク警戒もより中小型株へのシフトが強まる

配信元:フィスコ
投稿:2018/05/25 08:56
 25日の日本株市場は不安定な相場展開になりそうだ。24日の米国市場は、トランプ大統領が米朝首脳会談の中止を表明し、地政学リスクへの警戒感から売りが先行。またトランプ政権が自動車・自動車部品に最大25%の関税導入を検討していることが報じられ、貿易戦争への懸念が強まった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比95円安の22315円となり、一時22075円まで下げ幅を広げる場面もみられている。円相場は1ドル109円10銭台、1ユーロ127円90銭台と円高に振れて推移していることも手掛けづらくさせそうだ。

 トランプ米大統領は24日、6月12日にシンガポールで予定していた米朝首脳会談について
「いまは不適切だ」として中止する考えを表明した。この影響から地政学リスクへの警戒が高まりやすく、ファンド筋による売り仕掛け的な動きが意識されそうだ。シカゴ先物の
安値水準にさや寄せするとなると、日経平均は75日線レベルまでの調整を余儀なくされることになろう。

 ただ、指数インパクトの大きい値がさ株を中心に、CTA(商品投資顧問業者)などヘッジファンドとみられる売りが観測されているが、短期的な売り仕掛け的な動きでもあるとみられる。直近で600円近く下落しており、22000円接近ともなれば短期間で1000円近く下げることになり、短期筋の買い戻す動きも意識されてくるだろう。インデックス売買に振らされやすい展開となろうが、一方で中小型株を見直す動きは広がりがみられている。需給整理も進捗しているとみられ、外部環境が不安定ななか、より中小型株へのシフトが強まるだろう。
(村瀬智一)
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配信元: フィスコ