相場展望と今週の注目銘柄はこれだ!

著者:出島 昇
投稿:2014/09/26 17:12

(6310)井関農機

 四季報2014年秋号によると、中国連結子会社が持分法に移行、売上高45億円、営業利益3億円目減り。農機は海外が伸長。だが、増税反動で国内苦戦。海外拠点立ち上げ費重い。営業外の為替差益見込まず。会社計画は仏販社買収によるのれん特益8億円を織り込まない。
今期は、前期の大幅増収増益からの反動減もあって減収減益。しかし、先行きは増収増益見通しで、円安進行の状況の中では、今期の想定為替レート1ドル=101円のため業績へのプラス材料。
2012年に大底圏で三角保ち合いを形成し、その煮詰まったところで10月11日の171円を安値に11月中旬のアベノミクス相場のスタートにサポートされて急騰し、2013年5月20日には454円の高値をつけました。ここをピークに買われ過ぎからの急反落となり、又業績の下方修正もあって下降トレンド(A)入りとなりました。この下降トレンド(A)の中で、今年の3月24日の252円、5月21日の244円、8月8日の250円と三点底(逆三尊天井)となって下降トレンドを横もみとなって抜け出し、8月25日に276円で買転換出現となっています。

6310井関農機

(1893)五洋建設

 四季報2014年秋号によると、単体受注は4000億円(前期比10%減)計画だが、国内土木など出足好調。手持ち工事高水準、完工は後半に比重。工事採算改善進むが、労務費・資材高懸念残る。償却増もあり営業微減益。
現在は、2012年6月4日の163円の安値からの上昇トレンド(A)の中にあります。この上昇トレンド(A)の中で、2012年11月13日の172円を安値にアベノミクス相場がスタートし、11月15日に194円で買転換出現となって今年の1月7日の418円まで上昇しました。ここから調整入りとなって短期の下降トレンド(B)を形成し、5月21日の267円まで下げて反発に転じました。9月9日には443円と、1月17日の高値418円をザラ場で更新するものの、長い上ヒゲとなって9月16日に368円で短期の売転換出現となっています。5月21日の267円から9月9日の443円までの上昇幅の1/2押し、もしくは2/3押しを待ってのリバウンド狙いとなります。

1893五洋建設

(6375)日本コンベヤ

 四季報2014年秋号によると、第1四半期末受注残は前年同期比27%減の90億円。新規受注は国内コンベヤー底入れだが回復緩慢、駐車場も再開発案件増えるが価格競争厳しい。コンベヤー期中消化分が大幅減。駐車場や、通期寄与の人材派遣関連で補えず営業益反落。
長期の大底圏でのボックス相場(A)を経て、2013年9月19日に113円で買転換となって上放れし、9月24日の213円まで上昇。ここをピークに直角三角形の保ち合い(B)となって、この煮詰まったところで今年の2月4日の110円、5月15日の110円とダブル底をつけて上放れとなりました。7月18日に国交相がリニア中央新幹線の環境評価に関する意見を表明。事実上の建設容認でリニア新幹線建設での残上によるコンベア特需への思惑買いが継続し、7月22日に235円の高値をつけたあと8月13日に142円まで下落し、再騰となって9月3日の325円まで上昇。ここから9月17日の234円まで押し目を入れて9月22日に260円で買転換出現となっています。25日移動平均線が9月22日時点で233円ですので、ここを下値に反発に転じているところです。

6375日本コンベヤ

(5938)LIXILグループ

 四季報2014年秋号によると、海外は買収したアメリカンスタンダードがフル寄与。国内もリフォーム向け着実。増税特需消え低迷する新築向けを補う。期初の広告宣伝費吸収し営業増益。営業外に持分投資損。最高益更新。増配。
2012年11月9日の1610円を安値に、中旬からのアベノミクス相場にサポートされて2013年5月20日の2637円まで上昇しました。ここから10月9日の1880円まで押し目を入れて急騰し、今年の1月8日には3060円の高値をつけました。ここから調整入りとなり、2月1日の2560円、5月16日の2396円、8月8日の2270円と3段下げとなったあと、9月17日の2276円で2点底をつけて、9月24日に2408円で買転換出現となっています。

5938LIXILグループ

(1822)大豊建設

 四季報2014年秋号によると、単体受注は出足好調だが825億円(前期比18%減)計画と控えめ。官公庁向け中心に手持ち工事高水準。東北復興関連、首都圏工事が多く、消化も順調。ただ前期に子会社が計上した好採算案件消えた反動減響く。労務費高もあり営業減益。
7月25日決算発表。東海東京証券が投資判断[1]を継続し、目標株価を700円に増額。4~5月期の単体受注は東京外環道トンネル工事の受注で300億円を上回る可能性があると予想。
大底圏の中で、2012年11月13日の88円を安値にアベノミクス相場にサポートされて2013年2月7日の164円まで上昇するものの、この時のアベノミクス相場は急激な円安を受けて輸出関連株中心の相場となり、内需株であるこの銘柄は三角保ち合い(A)となっていました。この煮詰まったところで2013年9月12日の154円で上放れとなり、公共投資関連として10月28日の439円まで上昇しました。ここから12月16日の306円まで押し目を入れて再上昇となり12月30日の493円まで急伸、ここを当面のピークに再び三角保ち合い(B)となりました。この三角保ち合い(B)の煮詰まったところで今年の5月20日の343円を安値に多少もみあい、7月11日の411円で買転換(上放れ)となって、9月1日の579円で年初来高値を更新しました。ここをピークに為替が円安進行となったことで内需株が一服となって押し目を形成していますが、大きく下げれば買いチャンスといえます。現時点では、75日移動平均線(9月19日456円)が下値サポートとなります。

1822大豊建設

配信元: みんかぶ株式コラム