個人投資家インタビュー|取材日:2014/07/23
前半~ココだけしか聞けないトレードトーク~
https://money.minkabu.jp/46143
話題の個人投資家、ウルフ村田のアベノミクス相場
■村田美夏/むらた・みか
職業:専業投資家、エンジェル投資家(株式会社サクセスワイズ代表取締役)
投資歴:21年(1993年~)
トレードスタイル:スイングトレードが中心
相場格言:人生、ボラティリティ!
みんなの株式(以下、みんかぶ):2013年はアベノミクス相場で大きく動き、日本の株式市場にとって大転換期を迎えましたが、村田さんはどのように投資されたのか教えていただけますか。
村田美夏さん(以下、村田):アベノミクス相場くらい動くと、株式投資はもっと楽しいですよね!
テンバーガー(10倍株)とかね。日本通信もそうですし、ガンホーも100倍ですからね。ケネディクスは買えたんですよ。12月11日に14,250円(100分割前)から入って、84,000円くらいまで。
アイフルは70円から、240円⇒360円⇒1600円(2分割前)までずっと持っていて、最終的には投資資金は20倍くらいまでになりました。
ちなみに、アイフルでの利益でみんなでもんじゃ焼きを食べましたよ(笑)もんじゃくらいがちょうど良いんですよ。あまり調子に乗ると、その後にモロにやられますからね。
5月23日とかね。あの時はやられてしまいました。ストップロスの掛からない口座でもポジションを持っていたので、爆撃くらっちゃいましたよ。
○千万買ってましたから、「もう疲れたよ、パトラッシュ―」って言いながら損切りするんですよ。
エアベンツ買っちゃいました。良いんですよ、エアベンツって。税金がかからない最先端の車ですから(笑)
※ベンツが買えるほどの額を損切りすると、エアベンツというそうです。さらに額が大きくなると、エアロールスロイスにランクが上がります。
実は前日にNECを買っていまして、買った途端に数百万の含み益が出たから「天才かな~。」って思ったら、次の日に猛烈に下がっててマイナスウン万かよって(笑“あの日はやられてしまいましたね。
-圧倒的な投資成績を上げている村田さんももってしても、2013年の5月23日の暴落は損切りとなったそうです。
みんかぶ:ちなみに、今取材をさせていただいているこの会社(株式会社エコアドバンスジャパン)はどういった関わりがあるのでしょうか。
株式会社エコアドバンスジャパン
http://www.ecoadvancedjapan.co.jp/
村田:この会社は2006年12月に設立された技術系ベンチャーなのですが、設立前の2006年9月に私も資金を出しました。その出資金の全額はタカラバイオの利益です。
バイオ株が動くときは異常な動きをしますよね。2,800円から買って4,000円くらいで一度降りたのですが、途中でまた買い増して最終的には8,600円までいきましたね。
みんかぶ:株価が3倍以上とは凄いですね。普通はそこまで長く引っ張れないですし、途中で降りると、次に入るタイミングが非常に難しくなりますから。
もしよろしければ、その時の利益確定金額を教えてもらえますか?
村田:この時は1週間で5,000万円の利益になりました。大成功した投資の1つですね。
当時が2006年ですから、やっとアベノミクス相場で値段が戻ってきたと思うと感慨深いですよね。最近は燃料代も上がっているせいで、日経平均も上げ渋っているんでしょうね。
ウルフ村田の情報収集方法と株式取引上達のコツ
みんかぶ:リーマンショックの時はどうでしたか?
村田:その時はニューヨークにいたのですが、全く引っかかりませんでした。大参事が起きる時は旅行に行っていたりすることが多くて、大丈夫なことが多いですね。
相場は集中してやらないといけませんから、ここだと思った大相場の時に入らないといけません。
板の厚さや、稀にコロプラなどの銘柄が売買代金1位になっている時とかですね。
それまで、投資を行っていなかった人が参入してくる急上昇時は狙い目ですね。最後の急上昇がくる可能性が高いですから。そういう時は大勢の人が3,000円で指し値していたりするので、その手前で利益確定してしっかり逃げることも考えています。
安易にジャンピングキャッチしてしまった時は、損切りしないと株価が3分の1になったりするんですよ。もうマザーズ劇場開幕ですよね!
マザーズで、最小単位だから良いかなと思って買うじゃないですか。そしたら、5,800円が半分以下になったり。ストップロス入れて、きちんと損切りすることは大事です。
でも、相場の基本は波乗りの感覚ですよね。サーフィン、ボディーボードとか好きで、茅ヶ崎に行ったりするんですよ。
マザーズの暴落を、『マザーズ劇場開幕』と名付けて、思わずこの表情
みんかぶ:投資方法を伺っていますと、基本的には堅実な押し目買いがメインのようですが。
村田:基本的にはそうですね。高値掴みはしないようにしていますし、失敗して高値で買ってしまった時は、一回切って入り直します。でも、悔しい時は「ラスト難平」とか言ってもう1回買ったりします(笑)
しかし、板が薄い銘柄だと自分の売りで値を下げることもありますからね。以前ある銘柄で、高値で自分の持ち株を考えないで売ちゃって、株価が暴落してしまったんです。その時は、トレーダー仲間から「村田さんが雑に売ったせいでチャートが壊れた。」って言われてしまいました。
ちなみに、「フル勃起チャート」という言葉は私のトレーダー仲間が名付けたのであって、私ではありません(笑)
※「ウルフ村田」という愛称は、元々機関投資家だったトレーダー仲間の方が名付けたそうです。
みんかぶ:1つ誤解が溶けました。テレビで放送されるたびに出てくるワードでしたので、村田さんが名付けたものだと思っていました。トレーダー仲間の方とはいつもLINEでやり取りされているようですが、どういった方がいるのでしょうか。
村田:もともとファンドマネージャーで2,000億を運用していた方であったり、メリルリンチの自己売買部門にいた方であったり、元々機関投資家だった方が多いですが、基本的にメディアに出ることはしません。
私はベンチャー投資をやっていることもあって、メディアに出ることに特に抵抗はありません。
みんかぶ:では、村田さんが良いと思う会社はどういったものになりますか。
村田:技術系ベンチャーですね。株式投資で得た利益の半分はベンチャー企業に投資しています。
でもトレードする時は関係なくて、ボラティリティの大きい、いわゆる『ボラ釣り』です。どちらかというと、テクニカルトレーダーで、チャートで判断するようにしています。
相場が強い時は、アイフルやケネディクスや金融、不動産株を長めに持つようにしています。アベノミクス相場のような時にしっかり稼いで、後は休んでおく。そうすればあまり負けませんね。
みんかぶ:よく取引される銘柄や業種はありますか?
村田:人気銘柄を中心に売買していますね。アイフルとかケネディクスとかですね。後は、テーマ株の循環物色。例えば、妖怪ウォッチで話題のハピネットや水素ステーション関連の岩谷産業など。岩谷産業はBSジャパン(テレビ東京)の番組に出た際にも売買しました。
みんかぶ:TV番組でラーメン部屋があると放送されていました。カップ麺を食べるのを見て、BNF氏(資産300億の個人投資家)を連想されましたが、やはり株式投資家にはカップ麺なのでしょうか。
村田:BNFさんはリスペクトしています。カップ麺は胃に負担が掛からなくて、消化が良いので後場のトレードには良いですね。でもあの部屋は、実はラーメン専用ではなく、ミネラルウォーターなども保管しているんです。
みんかぶ:個人投資家としては、村田さんの情報の取り方が気になるところですが、オススメの情報収集の方法はありますか?
村田:ストックボイス(http://www.stockvoice.jp/)や、ラジオ日経(http://www.radionikkei.jp/)はいつも聴いていますね。真剣に聴いているというより、流しっぱなしにしていて、情報を入れている感じです。
ネットだとみんなの株式(https://minkabu.jp/)も見ていますよ。みんかぶポートフォリオであったり、株マップ.COM(http://jp.kabumap.com/)、証券会社の口座だと松井証券のデイトレランキング(http://www.matsui.co.jp/news/ranking/#02)も見ています。
みんかぶ:個人投資家では、桐谷広人さんが株主優待のみで生活していてとても人気を集めているようですが、トレーダー仲間であったりしますか。
村田:桐谷さんは実は一度もお会いしたことはないのです。テレビの担当者からは桐谷さんとの対談が見たいといわれたのですが、私もお会いしたいですね。
そういえば、テレビに出た影響かたまにメッセージが来るんですよ。『村田さんが出資していると聞きました。30万僕に出資して下さい。分割で毎月返済します。』みたいに(笑)
みんかぶ:桐谷さんとの対談良いですね。今後実現できるようみんかぶが企画しましょう!
ところで、投資は株式投資だけなのでしょうか。
村田:商品先物や、米国株、日経先物のETFにも投資しますが、メインは日本株ですね。日本株の方が便利ですけど、アップルが爆下げした時などはすかさず拾ったりしますね。チャンスは逃さず米国株の押し目買いはしますね。
最近は若くても株式投資が上手い人が多いですよね、デイトレだと瞬間の判断能力が重要になるので、ゲームが上手な人はデイトレも上手いですよね。最近は日別にテーマが変わってしまうので、やっぱりデイトレ気味になってしまいます。大きめの金額でガッと入ってパッと出る感覚。現金つかみ取りの要領です。
みんかぶ:今のNISA制度はいかかでしょうか。最近になり200~300万への増枠も検討されているようですが。
村田:長期保有目線で利益確定しながら投資できれば良いんでしょうね。100万円はやはり額が少ないので、もう少し増えてほしいところですね。
みんかぶ:村田さんの今後の相場見通しはどうでしょうか。
村田:上げてほしいと思っています(笑)
日経平均が現在はボックス圏を形成していますので、どのタイミングでこのボックスを上抜けてくるのか期待してみています。目先、希望的観測になりますけど、18,000円くらいでしょうか。消費税増税に伴う株価上昇施策も考えられますので、底堅い相場ではあるかもしれませんが、下値不安を言い始めるとキリがない。今はロングホールドしづらい相場ですし、長期の見通しは立てないのですが、2020年の東京オリンピックに向けて上昇して欲しいですね。
せっかくのアベノミクス相場で16,000円まではちょっと寂しい。
「今後も上げてほしいと思っています!」
みんかぶ:今後の注目銘柄、業種などはありますでしょうか?
村田:燃料電池のような地球にやさしい技術をつくっている会社であったり、次世代技術の未来をつくっていくような新しい技術に注目しています。みんなの生活が良くなるような、例えば格安スマホを開発している会社などは良いですよね。
でも、投資なので利益確定はしっかりしないと。バイ&ホールドだけと、キッチリ利益確定や押し目買いはしないといけませんね。ただ株主優待の権利はちゃんと取った方が良いから、権利日を狙って売買する時もありますよ。桐谷さんのように株主優待券だけで生活していけるのも楽しいですよね。
基本は循環ですよね。
これがという感じはないですが、ケネディクスが跳ねる時もあるし、ロボット、ゲームが跳ねる時もある。
循環物色に乗るタイプです。
昨年であれば、アイフルや、ケネディクスですよね。
今年は落ちついてしまってますからね。建設株が上がったと思ったら、すぐ終わっちゃうしね。
みんかぶ:基本は買いで攻められているようですが、空売りに関してはどうでしょうか。
村田:たとえば、明らかにソフトバンクが独歩高になった後などに、もうこれ以上踏みあげる力がないと判断した時に、逆指値を置きながら流しながら値幅を取っているという感覚です。
低位株が急騰した後にダラダラ下げている時も、同じ様にしながら30円の値幅とかを狙ってトレードします。
みんかぶ:・近年HFT(High Frequency Trade)と呼ばれる超高速取引が売買代金の多くを占めていますが、どのようにお考えでしょうか。
村田:アルゴリズム取引に押し寄せられているなか、まだ残っているところで戦っている感覚ですね。
勝てるところで勝つしかないので、機関投資家のコバンザメやってます(笑)
マーケット滞在時間は短く、パッと入ってパッと出る。滞在時間が長いと、爆下げ食らったり、ナイアガラ食らったりしますからね。
みんかぶ:みんなの株式は33万人の個人投資家が集まっていますので、個人投資家へ向けてのメッセージをいただけますか。株式投資を始めて良かったこと、逆に苦しかったことなど教えていただければと思います。
村田:投資を始めてから、より経済情勢に対して敏感になりましたね。
それが、ビジネスチャンスも掴めることに繋がりますから、おかげで良い技術系ベンチャー企業に出会えたりしました。時代の最先端が分かるようになりますからね。
長い間トレードしていますが、損切りが下手だと、投資家というより含み損管理業になったりすると苦しいですよね。
さっさと切らないと、ポテンシャルの高いところに目がいかなくて、今日の含み損が減ったら得した気分になってしまいますよね(笑)金額が小さいから良いと安易に買って、半値戻しすると思っちゃったら、猛烈に下げてマイナス70%とかね。昨年は利益も大きかったので、調子に乗って足組んでワイン飲みながらトレードして、大変な目に合ったりしました。
みんかぶ:最後に個人投資家さん、特に最近投資を始めた人へ今後楽しく株式投資を行っていけるように、村田さんからのアドバンスをいただけますか。
村田:基本的なことですけど、損切りは絶対に必要ですね。
株式投資は自分の『投資ルールを決めること』と、『お気に入りの銘柄を見つける』ことが上達への近道ではないでしょうか。
銘柄ごとに値動きにクセがあったりしますので、見慣れているとやはり取引しやすいですからね。
資金管理はもちろん重要ですが、まずは、自分の得意な銘柄から探してみてはいかがでしょうか。
ーありがとうございました。
取材後記:テレビで見る村田さんは早口で豪快なトークを展開する「ぶっ飛びんだキャラクター」という印象でした。しかしながら、実際にお会いすると、とても誠実で謙虚な方で、ご多忙ななか我々の取材にも丁寧に応えていただきました。
銘柄の売買価格やその金額、投資方法などのかなり突っ込んだ話も包み隠さず、非常に丁寧に答えていただけました。
村田さんが銀行員時代に、不良債権で融資をしたくてもできなかった悔しさが、ベンチャー企業への投資というかたちで、生かされているのだと感じます。
企業は株式市場に上場し、資金を調達する。その遥か前段階である、創業の段階から良いアイディアがある企業には投資をし、いずれ世の中を変えてくれる技術を産み出すことを後押しする。
数えきれないくらいの企業に投資を行っているということから、近年続々と出ている新技術の一部は、村田さんがいなければ世に出ることの無かった技術があるのかもしれません。
この取材を通して、再度、株式投資の価値を感じることができた気がしました。
前半~ココだけしか聞けないトレードトーク~
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