小次郎講師のボリンジャーバンド解説その1、「ボリンジャーバンドの基礎知識」

投稿:2014/08/29 12:02

「コジテク(小次郎講師の使えるテクニカル分析講座)実践編」第53回、そして第2部第7回!


□皆さん、こんにちは、小次郎講師です。本日からいよいよ大人気の『ボリンジャーバンド』に入る。


■助手のムサシです。よろしくお願いします。いよいよ、小次郎講師の得意なボリンジャーバンドですね。小次郎講師といえば「一目均衡表」と思われがちですが、実はボリンジャーバンドも達人ですよね。小次郎講師のセミナーの中で人気講座のひとつです。

□ま、長年、自分で使っているからね。

■まずは・・・
9月の講師関連予定報告!

◆9/23(火)コモディティフェスティバル2014 お茶の水ソラシティホールにて
http://cfes.jp/
◆9/27(土)サンワード貿易セミナー
http://www.sunward-t.co.jp/ ※詳細未定
◆ラジオNIKKEIマーケットトレンド毎週火曜17時より全10回シリーズ出演
http://blog.radionikkei.jp/trend/_a.html

■なんと言っても9月にはコモディティ業界最大のイベント、コモディティフェスティバルがあります。小次郎講師はそのフェスティバルの中で特別講演をされます。観客参加型の面白い講演だそうですね。

□ためになり、なおかつ楽しい、画期的な講演をする予定。お楽しみに。定員があるので早めに申し込んでくだされ。そして、講演するだけでなく、大橋ひろこさんとともにコモディティアンバサダーとして、そのフェスティバルの宣伝、コモディティ業界のPR役を仰せつかった。

■9月22日発売の日経マネー11月号にその大橋ひろこさんとの対談が掲載されるそうなので、皆さん、そちらも是非ご覧ください。

□ではボリンジャーバンド徹底解説始まり始まり!
 

1、ボリンジャーバンドの概要

★図1

□ボリンジャーバンドは上図のように5つの線からなる。真ん中の線が「ミッドバンド」

■この図では赤くてちょっと太めの線ですね。

□その上の点線が「プラス1シグマ」の線、その上の青い実線が「プラス2シグマ」の線だ。逆にミッドバンドより下にある点線が「マイナス1シグマ」の線、一番下にある実線が「マイナス2シグマ」の線となる。

■5つ線があるというと一目均衡表に似てますね。

5つという線の数は同じだが、一目均衡表の場合、それぞれの線が独立している。それに対しボリンジャーバンドは5つの線が連動している。

■連動しているんですですか?それぞれ勝手に動いているように見えますが。

□そうか。ミッドバンドを中心に一緒に動いているのがわからないか?

■たとえば一番上の線(プラス2シグマ)と一番下の線(マイナス2シグマ)を比べたとき、一緒に上昇したり一緒に下がったりしていることもあれば、上の線は上がっているのに下の線は下がっているとか、なんかばらばらに感じることがあるんですが。

□ボリンジャーバンド上で、どこでもいいから垂直の線を入れてご覧。どこでもいいぞ。そして5本の線と交差するところに〇印をつけてみる。するとそれぞれの線の間隔はどれも同じということがわかる。

■どれも同じというのは

(+2シグマと+1シグマの間隔)=(+1シグマとミッドバンドの間隔)=(ミッドバンドと-1シグマの間隔)=(-1シグマと-2シグマの間隔)

■ということですね。

□そう。どこに垂直の線を引いても上の公式は変わらない。ということで5つの線が連動しているということがよくわかる。まずはそのことを頭にインプットしておいてほしい。ま、後で計算式を見ればすぐわかることだが。

■インプットしました。

□ボリンジャーバンドの計算式は後で詳しく話すが、真ん中の線は20日移動平均線。バンドの幅は標準偏差。

■標準偏差?難しそうですね。

□簡単に言えば、バンド幅はボラティリティを表すと思えばいい。

■ボラティリティ?値動きの大きさですね?

□そう。そして、5本の線が作るバンド(帯)の中で現在の価格がどこにあるかで価格の相対的高安がわかる。

■ちょっとぴんときませんが、これも後で説明してくれると信じて頭の片隅に入れておきます(汗;)。

□結論から言うが、ボリンジャーバンドは移動平均線とストキャスティクスを組みあわせて、それらを進化させるためにボラティリティという視点を組み込んだテクニカル指標だ。

【ボリンジャーバンドのポイント】
ボリンジャーバンドは移動平均線とストキャスティクスを組みあわせて、それを進化させるためにボラティリティという視点を組み込んだテクニカル指標

■ストキャスティクス?ストキャスって、あの%Kとか%Dとかいうやつでしょ?あれはオシレーター形の指標だから、ボリンジャーバンドとは似ても似つかない。

□似ても似つかないものに共通項があることを見つけ出す。テクニカル分析研究の道は奥が深いねえ。

★図2

2、ジョン・ボリンジャー氏が考案

□ボリンジャーバンドは1983年に米国のテクニカルアナリスト、ジョン・ボリンジャー氏が考案したテクニカル指標。「トレードから感情を排除することが重要」というのが氏の持論。

■これは名言ですね。トレードで失敗するのはいつも欲望とか恐怖心とかいう感情によるものです。

□だね。ボリンジャーバンドは現在世界中のトレーダーに一番人気のテクニカル指標だろう。たくさんの人に使われているということはそれだけ有効性が確認されているということ、しっかり学んでいこう。

■はい。
 

3、ボリンジャーバンドの計算式

□さて、ボリンジャーバンドの計算式を説明しよう。難しそうに見えて簡単、簡単そうに見えて難しいというのがボリンジャーバンドの計算式。

【ボリンジャーバンドの計算式】
・ミッドバンド=20日移動平均線
・プラス1シグマ=ミッドバンド+標準偏差
・プラス2シグマ=ミッドバンド+標準偏差×2
・マイナス1シグマ=ミッドバンド-標準偏差
・マイナス2シグマ=ミッドバンド-標準偏差×2
 ※標準偏差は20日間の終値の標準偏差

□正確に言えば、20日移動平均線の20日の部分は変更可能なパラメーターだが、ほとんどのケースで20日を使うので、一般投資家がパラメーターをいじる必要はない。
■真ん中は20日移動平均線なんですね?これは単純移動平均線でいいんですか?

□そうだ。

■何故、EMA(指数平滑移動平均線)を使わなかったんでしょ?EMAの方が海外では人気だと聞きましたが。

□ボリンジャー氏によると標準偏差の計算と整合性を取るためだそうだ。標準偏差の計算には20日間の単純移動平均を使うからね。

■なるほど・・って、その標準偏差がよくわからない。

標準偏差を制するものがボリンジャーバンドを制する。標準偏差がわからなくてはボリンジャーバンドがわかるはずがない。ということで、逆に言えば、このボリンジャーバンド、標準偏差が理解出来れば簡単なのだよ。

■それが簡単ではない。(><);

標準偏差とはデータのばらつきの大きさを示した数値。たとえば平均点が同じく50点だったとしても、1組は40点から60点までにみんなの点数が集まってる。2組は0点から100点までいろんな点数があるというケースがある。平均点だけではこの差はわからない。このデーターのばらつきが「標準偏差」。だから1組の標準偏差は小さく、2組の標準偏差は大きいということになる。

■価格の動きで言うと、20日間の値動きが小さければ標準偏差は小さく、20日間に価格が大きく動けば標準偏差が大きいということになりますね。

□そのとおり。その標準偏差のことをシグマと呼びσやΣで表す。バンド上限が+2シグマ、バンド下限が-2シグマとすると、バンド幅は4×シグマということになる。どちらにしろボリンジャーバンドのバンド幅(+2シグマから-2シグマまでの間隔)は過去20日の価格のボラティリティの大きさを示す。

過去20日が揉み合い相場だったらバンド幅は狭く、過去20日間に大きなトレンドがあればバンド幅は広がるということですね。

□ボリンジャーバンドでまず注目することはそこだ。

【ボリンジャーバンドの注目点!】
過去20日が揉み合い相場だったらバンド幅は狭く、過去20日間に大きなトレンドがあればバンド幅は広がる。

 

4、スクイーズとボージ

□ボリンジャーバンドの見方はこれから徹底的に解説するが、バンド幅というのはボリンジャーバンドではとても大切。そのバンド幅が縮小するところを「スクイーズ」と呼び、拡大するところを「ボージ」と呼ぶ。知っているかな?

■私も、今までボリンジャーバンドを使っていましたが、初めて聞きました。

「スクイーズ」と「ボージ」を知らずしてボリンジャーバンドは使えない。下の図を見てご覧。

★図3

スクイーズとボージがトレンド変化の起点となることが多いのがわかるだろ?

■確かに。

□奥が深いボリンジャーバンド、長い連載になると思うが、一歩ずつ、本当に使いこなせるようになるまで解説していきたい。本日はここまで。

■ありがとうございました。

今日のまとめ

・5つという線の数は同じだが、一目均衡表の場合、それぞれの線が独立している。それに対しボリンジャーバンドは5つの線が連動している。

【ボリンジャーバンドのポイント】
・ボリンジャーバンドは移動平均線とストキャスティクスを組みあわせて、それを進化させるためにボラティリティという視点を組み込んだテクニカル指標

【ボリンジャーバンドの計算式】
・ミッドバンド=20日移動平均線
・プラス1シグマ=ミッドバンド+標準偏差
・プラス2シグマ=ミッドバンド+標準偏差×2
・マイナス1シグマ=ミッドバンド-標準偏差
・マイナス2シグマ=ミッドバンド-標準偏差×2
※標準偏差は20日間の終値の標準偏差

・標準偏差とはデータのばらつきの大きさを示した数値。
・20日間の値動きが小さければ標準偏差は小さく、20日間に価格が大きく動けば標準偏差が大きい

【ボリンジャーバンドの注目点!】
・過去20日が揉み合い相場だったらバンド幅は狭く、過去20日間に大きなトレンドがあればバンド幅は広がる。

・バンド幅が縮小するところを「スクイーズ」と呼び、拡大するところを「ボージ」と呼ぶ
・スクイーズとボージがトレンド変化の起点となることが多い。
 

□第2部第7回講義終了。

■「起立、礼!」

□本日の講義をマスターしたなら、単位を2単位差し上げよう。
本日の単位数2  累計単位数14
中級テクニシャンまで後86単位!

配信元: みんかぶ株式コラム