目先は“もう一段の上値追い”を意識する局面…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/04/05 12:03

◆米中貿易戦争懸念に振り回されるも、最後は上伸…

※ご注意:予想期間は4月6日と表示されていますが、本日(4月5日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「振り回された」というのがしっくりくる、そんな一日でした。

“中国の対米報復関税”を機に、ドル円は再び106円ラインを割り込みました。
しかし「今回の関税措置は交渉手段の1つ、貿易戦争につながるものではない」というクドローNEC(米国家経済会議)委員長発言を機にその警戒感は後退しました。
好内容の米ADP雇用統計(+24.1万人)も後押しとなり、“NYダウ(△510ドル⇒+275ドル)”“米10年国債利回り(2.74%⇒2.80%)”に引っ張られる格好で、ドル円は106円後半へと巻き戻され(上値を伸ばし)ました。

◆“リスク回避志向”は大きく後退…!?

米・中双方から関税措置が発表されましたが、あくまで現時点では“威嚇”と考えられます。
このため“リスク回避志向”は大きく後退し、目先は“もう一段の上値追い(巻き戻し)”が意識されると見るのが自然です。
依然として“106.70~107.00円のドル売りオーダー”がかなりの厚みを持って待ち構えていますが、「もう一段の弾み」がついてもおかしくありません。
そして“50日移動平均線(本日は107.059円)”ともほぼ重なる“3/28高値(107.010円)”を明確に突破できれば、次なるポイントは“3/13高値(107.282円)”“日足・一目均衡表先行スパン下限(同107.505円)”まで切り上がります。

「リスク回避一辺倒には懐疑的」だが「リスク選好への傾斜も時期尚早」と昨日記しましたが、目先は「107円回復⇒もう一段の上値追い」を期待してもいい局面なのかもしれません。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.505(日足・一目均衡表先行スパン下限)
上値3:107.401(ピボット2ndレジスタンス)
上値4:107.282(3/13高値)
上値2:107.010(3/28高値、50日移動平均線、大台、ピボット1stレジスタンス)
上値1:106.930(3/29高値)
前営業日終値:106.779
下値1:106.481(4/4安値後の50%押し)
下値2:106.393(4/2~4/4の38.2%押し、4/4安値後の61.8%押し)
下値3:106.252(4/2~4/4の50%押し、ピボット1stサポート)
下値4:106.112(4/2~4/4の61.8%押し、20日移動平均線)
下値5:105.980(4/4安値、日足・一目均衡表基準線、大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:19 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想