「もう一段の巻き戻し」を期待するには十分な環境だが…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/03/29 11:49

◆ショートカバー炸裂 - ドル円急反発

※ご注意:予想期間は3月30日と表示されていますが、本日(3月29日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

「ショートカバー炸裂」
まさに昨日はこの一語に尽きると思います。

「年度末(日本)を控えた“実需のドル買い”」が入る中、「イースター休暇(欧米)を控えた“積み上がったドル売りポジション”の解消(巻き戻し)」が入ったからです。
これに「朝鮮半島リスクの緩和/予想を上回る米GDP」も加わっており、リスク回避姿勢は一気に後退していきました。
期待していた“3/13~3/23の61.8%戻し(106.270円)”をあっさり上回ると、ドル円は“107円ラインにワンタッチ”という水準まで上値を伸ばしました。

◆「もう一段の巻き戻し」を期待するには十分な環境だが…!?

日・米を除くほとんどが「明日(30日)は休場(グッド・フライデー)」というスケジュール感を考えれば、本日が「実質的な月内最終取引日」ということになります。
「スポット取引の年度末最終応当日」はすでに終えましたので“実需のドル買い”は緩むと見られますが、「イースター休暇(欧米)」を控えた“もう一段のポジション調整(巻き戻し)”は入っても何ら不思議ではありません。
ただし“3/13高値(107.282円)”の突破で「さらなるストップロス」が期待できる反面、“107円ラインのドル売りオーダー”はかなりの厚みを持っています。

安値圏で大陽線が描かれるなど、テクニカル的には「もう一段の巻き戻し」を期待するには十分な環境といえます。
それでも「突破できるかは微妙」と考え、目先はマーケットに対峙するのが無難かもしれません。
流動性が低下する中、緩和こそしているものの“先行き不透明感”は依然として燻ったままですから…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.680(2/27高値)
上値4:107.526(2/28高値、2/2~3/23の50%戻し、週足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
上値3:107.424(50日移動平均線)
上値2:107.282(3/13高値)
上値1:107.010(3/28高値、大台)
前営業日終値:106.859
下値1:106.613(3/28安値後の23.6%押し)
下値2:106.367(3/28安値後の38.2%押し)
下値3:106.152(3/23~3/28の38.2%押し、3/28安値後の50%押し、日足・一目均衡表基準線
下値4:106.000(大台、3/28安値後の38.2%押し、20日移動平均線)
下値5:105.888(3/23~3/28の50%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:17 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想