米関税措置で円独歩高=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2018/03/23 09:01

米関税措置で円独歩高

ドル/円は今朝方に105円台を割り込み、一時104.60円台まで下落。2016年11月にトランプ氏が勝利した米大統領選以来のドル安・円高水準だ。昨日は、トランプ政権が発表した対中関税措置を嫌気してNYダウが700ドル超値下がりするなど、米国株が大幅に下落。本日も「貿易戦争」への懸念からアジア株の下落が見込まれる中でドル売り・円買いが先行している。

ドル/円は、105.50円、105.25円、105.00円のサポートを次々と下抜けた事で、下向きの流れが加速しやすくなっており、下値メドが見つかりにくい状態と言える。ただ、為替市場全体を見渡せば、ドルはむしろ強含んでおりドル/円の下落は円高が主導している。このため東京市場では本邦当局の口先介入にも警戒が必要だろう。いずれにしてもドル/円は当面、不安定な値動きが続きそうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想