“イメージ先行”は巻き戻されるか…!?

著者:武市佳史
投稿:2018/03/08 11:18

◆一時“リスク回避”に振れるも、次第に“落ち着く”

※ご注意:予想期間は3月9日と表示されていますが、本日(3月8日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“リスク回避”に振れた昨日東京タイムでしたが、次第に落ち着きを取り戻しました。
 「貿易戦争は求めていない(ロス商務長官)」
 「(安全保障の観点から)メキシコ/カナダを除外する措置は有り得る(サンダース報道官)」
警戒感の後退は巻き戻しにつながり、株式は下げ渋り、米10年国債利回りは2.88%へ戻す中、NYタイム中盤にドル円は106.214円へと値を戻していきました。

なお昨日発表のADP雇用統計は“好内容(+23.5万人)”でしたが、米貿易収支が“5ヶ月連続の赤字増加(△566億ドル)”ということから打ち消されました。
また米地区連銀経済報告《ベージュブック》は“経済・物価が全12地区で緩慢・穏やかに拡大”と示されましたが、特に目立った反応は見られませんでした。

◆本日も“リスク回避”に振り回される展開を想定せざるを得ないが…?

そうなると本日も“リスク回避の動静”に振り回される展開を想定せざるを得ないところです。
29:30(日本時間9日5:30)にはトランプ米大統領が「鉄鋼・アルミに追加関税を命じる文書に署名」とされているだけに、再び思惑が席巻しないとも限らないからです。

◆ただスケジュール感的には“積極的な売買は手控えられる”…!?

ただしテクニカルを見ると、“105.250円時に下髭”を付けた後に“長大陽線⇒寄引同時線(いわゆる十字線)”を2本続けています。
“気迷い”が生じている証左であり、“イメージ”ほど下方向に傾斜しているわけではなさそうです。

本日にECB理事会、明日に日銀金融政策決定会合/米雇用統計を控えるスケジュール感であることを考えれば、積極的な売買は手控えられる可能性は高いといわざるを得ません。
そうした中での前記“気迷い”は、“イメージ先行”の巻き戻しとして機能することができるか…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:106.752(2/27~3/2の61.8%戻し)
上値4:106.678(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:106.466(3/6高値、2/27~3/2の50%戻し水準、日足・一目均衡表転換線)
上値2:106.377(ピボット1stレジスタンス)
上値1:106.214(3/7高値)
前営業日終値:106.076
下値1:105.831(3/7安値後の50%押し)
下値2:105.741(3/7安値後の61.8%押し)
下値3:105.612(ピボット1stサポート)
下値4:105.449(3/7安値)
下値5:105.349(3/5安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:37 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想