懸念は「瞬間的な動き」 - 耐えられるか…?

著者:武市佳史
投稿:2018/03/02 11:23

◆久しぶりの“トランプ砲炸裂” - リスク回避へ傾斜

※ご注意:予想期間は3月3日と表示されていますが、本日(3月2日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


あぁ、あぁぁ…。
“月末要因の円買い”は剥落、“パウエルFRB議長・上院証言”も特に影響はありませんでした。
しかし久しぶりの“トランプ砲炸裂”で、マーケットは懸念する“リスク回避姿勢”へと傾斜しました。

 「鉄鋼に25%、アルミに10%の関税を課す」

この輸入制限発動表明は“保護貿易/貿易摩擦激化”への思惑を誘い、NYダウを420ドル超の続落へと導きました。
一方でドル買い要因である米10年国債利回りも先月9日以来の2.79%に低下する場面が見られ、円買いばかりが目立ちました。
“106.50-40円”に展開していた厚めのドル買いオーダーを割り込むと、106.156円まで再び下値を拡大しています。

◆「買い拾い」とはいいがたい環境だが…?

センチメントが一段と悪化した状況ともなれば、“先月16日以来の105円台突入”を意識せざるを得ないのは事実です。
このため買い拾いと安易にはいいがたい環境といえますが、ただし本日は週末です。
応分のポジション調整(買い戻し)は期待できるところです。

また107円ラインに設定されているオプションの大部分は、“期限が来週末(9日)”です。
少し離れてしまった格好ではありますが、まだ“ガンマトレード(オプションで設定した方向等は逆の取引、収斂圧力がかかりやすい)”も期待できるところです。

◆ただ売り方が狙うのは「瞬間的な動き」のみ…!?

“リスク回避姿勢”が再燃し“見方の修正”も余儀なくされていますが、売り方が狙っているのは「セリング・クライマックス(瞬間的な下押し)」…?
もちろん“株価動向を睨みながら”であり、“もう一段の下方向”は懸念せざるを得ませんが、「悲観一色に傾斜する必要はない」と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.098(2/27~3/1の61.8%戻し、大台)
上値4:106.918(2/27~3/1の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stレジスタンス)
上値3:106.738(2/27~3/1の38.2%戻し、3/1高値後の61.8%戻し)
上値2:106.611(3/1高値後の50%戻し)
上値1:106.470(3/1高値後の38.2%戻し)
前営業日終値:106.238
下値1:106.156(3/1安値)
下値2:106.000(大台、2/19安値)
下値3:105.860(ピボット1stサポート)
下値4:105.550(2/16安値、ピボット2ndサポート)
下値5:104.963(16/11/10安値、大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

11:43 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想