まず“回数”、次いで“年1~2回部分の引き上げ具合”がポイント…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/03/15 10:30

◆115円乗せも、維持できず…

※ご注意:予想期間は3月16日と表示されていますが、本日(3月15日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


不発に終わった前日(仕掛け的な下値追い)とは異なり、昨日の“上値追い”は奏功しました。
“114.90-115.00円のドル売りオーダー”を突破し、「一段、レンジが切り上がった?」とも思わせる動きを見せました。
しかしながら115円台を維持することは叶わず、2.62%台で上値を押さえられた米10年債利回りが下げに転じると、ドル円も再び114円後半へと押し戻されていきました。

◆利上げ回数の引き上げは微妙…?

こうして“膠着状態”を引きずったまま、いよいよFOMC本番を迎えます。
“3月利上げは完全に織り込み済”と見られますので、注目は“利上げ回数(ドットチャート)”の行方ということになります。

「年3回(今回上げるとすれば残り2回)のままだと“ドル売り”」「年4回(同3回)に引き上げられると“ドル買い”」が見込まれるところですが、昨日も記したように“個人的に引き上げはかなり微妙”と考えています。
このためファーストアクションは“ドル売り”を警戒せずにはおれず、場合によっては“114.50-40円のドル買いオーダー”を割り込む場面も見られるかもしれません。

◆ただ“年1~2回部分の引き上げ具合”次第では…!?

それでもこちらも昨日記したように、イエレンFRB議長は“12月段階では年2回(4人)”に含まれていた可能性が高いと考えます。
つまり“年1回or2回の計6人”の部分が引き上げられると、「イエレンFRB議長も年3回を想定している」との思惑が囃されても何ら不思議ではないということになります。
現状のコンセンサスが“年3回に届いていません”ので、“もう一段の米金利先高観”が進行する可能性は十分であり、“深押し”は想定しづらいと考えます。

オランダ総選挙等のリスク要因もあり、“乱高下”を想定せざるを得ない局面ではありますが、引き続き“戻り売りではなく、押し目買い”で臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:普段より値幅を拡大して掲載しています。
117.527(1/9高値)
116.989(16/12/15~17/2/7の76.4%戻し、大台)
116.860(1/11高値)
115.956(16/12/15~17/2/7の61.8%戻し、大台)
上値5:115.784(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:115.613(1/19高値)
上値3:115.491(3/10高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:115.187(3/14高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:115.005(日足・一目均衡表先行スパン上限、大台)
前営業日終値:114.761
下値1:114.462(3/13-14安値、日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値2:114.362(3/9安値)
下値3:114.176(日足・一目均衡表先行スパン下限、ピボット2ndサポート)
下値4:114.042(2/28~3/10の38.2%押し、100週移動平均線、大台)
下値5:113.877(50日移動平均線、ピボットローブレイクアウト)
113.743(20日移動平均線)
113.564(3/6安値、3/8安値、2/28~3/10の50%押し、日足・一目均衡表基準線、週足・一目均衡表転換線、20週移動平均線)
113.148(2/28~3/10の61.8%押し)
112.921(100日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:53 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想