“明確な方向性”示されずも、“期待は募る”局面…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/22 11:06

◆113円後半へ上伸 - ただ“上値の重さ”も目立つ

※ご注意:予想期間は2月23日と表示されていますが、本日(2月22日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


やはり「驚くべき税制案」「米早期利上げ」への思惑が、ドルを押し上げました。

背中合わせで観測されていた“113円半ばのストップロスのドル買いオーダー”を絡めながら、ドル円は113.774円へと上昇しました。
米10年国債利回りが2.46%手前へと一時上昇、NYダウは8日連続の史上最高値更新を見せたことも、ドル買いを促したと見られるところです。

もっとも“上値の重さ”が目立ったのも事実です。
リスク選好姿勢が“ドルの底堅さ”を演出する一方、高値圏では“リスク回避への警戒感”が残っているからです。
マーケットは“慎重姿勢”を崩しておらず、“明確な方向性”が示されない状況は続いています。

◆114円の分厚いドル売りオーダーを突破すると…!?

それでも「驚くべき税制案」の発表は“トランプ大統領の議会演説(通常の一般教書演説に該当:28日)前”と見られるだけに、思惑が高まりやすいと考えるのが自然です。
また「米早期利上げ」を警戒する株売りは現時点では目立っておらず、リスク選好姿勢は続いています。
さらに金利先物から見た“3月利上げの織り込み度”はそれほど上がっておりませんが、これは「まだ伸びる糊代あり」と考えることが可能です。

昨日の上昇で“2/15~2/17の50%戻し(113.780円)”を達成しただけに、次なる上値目標は“同61.8%戻し(114.055円)”となります。
同ラインにかけて“分厚いドル売りオーダー”が展開している反面、本日も背中合わせには“ドル買いオーダー”が観測されています。
昨日と異なるところは、仮に突破できると“50日移動平均線(本日は114.924円)”まで主だった抵抗ラインが見当たらないということです。

◆ただしFOMC議事録への“過度な期待”は禁物

本日公表されるFOMC議事録は「3月利上げ示唆が声明に盛り込まれなかった」買いの分であるだけに、“過度な期待は禁物”といわざるを得ません。
また“明確な方向性”も示されていない状況ですので、“上値の重さ⇒頭打ち・反落”への懸念は頭の片隅に残しておく必要があります。
それでも期待は募るところ…、“押したところは買い拾い継続”と見たいところです
買い拾う水準は、昨日突破した“113.50円”を割れた辺りか…?

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.658(ピボットハイブレイクアウト)
上値4:114.301(2/16高値、100週移動平均線)
上値3:114.216(ピボット2ndレジスタンス)
上値2:114.000(大台、2/15~2/17の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:113.774(2/21高値、日足・一目均衡表転換線、2/15~2/17の50%戻し水準)
前営業日終値:113.676
下値1:113.391(2/21高値後の押し目)
下値2:113.271(2/17~2/21の38.2%押し、20日移動平均線、ピボット1stサポート)
下値3:113.146(2/17~2/21の50%押し)
下値4:113.062(2/21安値、2/17~2/21の61.8%押し、大台)
下値5:112.794(2/20安値、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:41 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想