上値期待あるが、本日は週末 - “押す局面あれば買い拾う”へ回帰

著者:武市佳史
投稿:2017/01/27 11:14

◆株式・債券との連動復活 - 一時114円後半へ上伸

※ご注意:予想期間は1月28日と表示されていますが、本日(1月27日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


昨日は“株高の連鎖”を囃した“リスク選好”が復活し、ドル円を114円後半へと大きく持ち上げました。

大台を突破したNYダウは2万0100ドルへとさらに上値を伸ばし、米10年国債利回りも一時2.55%台へと上昇(債券価格は下落)したこともリスク選好姿勢を後押ししたと見られます。
朝方には113円割れを窺っていましたので、ドル円の昨日の上昇幅は“1円80銭超”に達している格好になります。
なお昨日発表された米新規失業保険申請件数は“弱め”でしたが、卸売在庫が“強め”だったこともあり、材料視されることはありませんでした。

◆週末+流動性低下⇒様子見ムードに傾斜…?

NYダウ/米10年債利回りとの相関性(連動性)が崩れた前日とは異なり、昨日はしっかり連動していました。
心理的な節目(2万ドル)を抜けたNYダウには“買い圧力”がかかりやすい状況でもあり、“株高の連鎖⇒リスク選好”が続くと“もう一段のドル円上昇”は期待できるところです。

ただ本日は週末であり、“中国春節(旧正月)入り”に伴う“流動性低下”も懸念されます。
また本日は米10-12月期GDP〈速報値〉が予定されていますが、GDP予想としては“意外と見方が散らばって(+1.7%~+2.9%、中央値は+2.2%)おり、“様子見ムード”へと傾斜するケースも否めないところです。

◆“上値トライ”と考えるのが自然ではあるが…!?

“20日移動平均線(本日は115.046円)”“日足・一目均衡表先行スパン上限(同115.149円)”が目前に迫っているだけに、テクニカル的には「これに突っかける(上値トライ)」と考えるのが自然です。
“1/19高値(115.613円)”をも超えると“ダブルボトム完成”となるだけに、期待も膨らむいところです。
ただ同ラインには“日足・一目均衡表基準線(115.560円)”も重なっており、かなりの抵抗ラインとして機能しそうな雰囲気を醸し出しています。
「こなせるか?否か?」には“NYダウ/米10年債利回りとの相関性”もかかわってくるだけに、現状では“期待先行”といわざるを得ません。

“急反落”は想定していませんが、本日は週末でもあります。
“さらなる上値追い”は手控えつつ、“押す局面があれば買い拾う”へ回帰したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:115.377(1/20高値)
上値4:115.272(ピボット1stレジスタンス)
上値3:115.149(日足・一目均衡表先行スパン上限)
上値2:115.041(20/50日移動平均線、大台)
上値1:114.850(1/26高値)
前営業日終値:114.580
下値1:114.257(1/26高値後の押し目、1/26安値後の38.2%押し)
下値2:114.070(日足・一目均衡表転換線、1/26安値後の50%押し)
下値3:113.962(1/24~1/26の38.2%押し、大台)
下値4:113.799(1/26安値後の61.8%押し)
下値5:113.688(1/24~1/26の50%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:35 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想