“上値の重さ”変わらずも、“円先高観”は大きく後退…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/17 10:39

◆上値重いも、ドル買いは継続

※ご注意:予想期間は10月18日と表示されていますが、本日(10月17日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


上値の重さは変わらないものの、ドル買いの流れそのものは継続しました。

注目の米小売売上高はマイナスとなった前月から大きく改善(+0.6%)しており、卸売物価指数は前年比ベースで見ると2014年12月以来の伸びを記録しました。
米金融機関の決算発表も概ね良好であり、イエレンFRB議長発言こそ“肩すかし”だったものの、ローゼングレン・ボストン連銀総裁/ダドリーNY連銀総裁発言は共に“タカ派寄り”でした。
NYタイム中盤には一旦103円後半へ下押す場面も見られたものの、すぐさま104円台へと押し戻されていくなど、堅調推移が目立ちました。

◆少なくとも“円先高観”は大きく後退…

足元の米経済指標&要人発言は“米12月利上げを示唆”しているといえそうですが、しかし金利先物から見た確率はまだ“70%弱”に留まっています。
これが“上値を押さえる要因”の一つとして機能していると見られますが、逆の見方をすれば“上値余地あり”と考えることも可能です。

何度となく上値が押さえられてはいますが、日足・一目均衡表先行スパン上限を明確に割り込むことはなく、テクニカル的なサポートは続いています。
またIMM通貨ポジションでは“円買いポジションが残存”していることが窺えますが、“減少”していることもうかがえており、少なくとも“円先高観は後退”していることが読み取れます。

◆“骨が折れそうなオーダー”が存在しており、“にわか上値期待”も気にはなるが…!?

“104.50-70円”に展開する分厚いドル売りオーダーをこなすのは骨が折れそう(高値はついていきたくない…)ですが、“上値模索は今後もしっかり続く”と見たいところです。
“にわか上値期待”が増大してきていますので、“リスク回避/選好の揺れ動き具合”を監視しながらですが…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:105.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値4:104.627(10/13高値)
上値3:104.558(ピボット1stレジスタンス)
上値2:104.467(10/14高値)
上値1:104.308(10/14高値後の76.4%戻し)
前営業日終値:104.170
下値1:104.000(大台)
下値2:103.795(10/14高値後の戻り安値)
下値3:103.692(ピボット1stサポート)
下値4:103.601(10/14安値
下値5:103.499(日足・一目均衡表先行スパン上限)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:48 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想