テクニカル的には“悪いとはいえない”…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/12 10:24

◆リスク回避再燃で103円割れ窺い - ただ引けにかけて持ち直す

※ご注意:予想期間は10月13日と表示されていますが、本日(10月12日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


104円超は定着せず、逆に103円割れを窺う展開…。

年内米利上げ観測は継続したものの、リスク回避の円買いがそれを上回りました。
原油高の上昇一服に留まったことをキッカケに、欧州通貨(特にポンド)の売り対象通貨が“ドル⇒円”へシフトしたからです。
ポンド円が125円を割り込む中で、ドル円は再び103円割れを窺いました。
もっとも先週末および前日のように103円を割り込むことはなく、103円半ばへとやや持ち直して東京タイムへと戻ってきています。

◆ドル自体への売り圧力は、それほどでもない

いわゆるハード・ブレグジットへの警戒感から来るポンド売りであり、警戒こそしていたものの、ここまで“リスク回避⇒円買い”につながるとは想定していなかったのも事実です。
「見通しが甘かった」といわざるを得ませんが、ただ「悲観する状況ではない」のも事実です。

…というのは、103円ラインを割り込むことなく、終値ベースでは“100日移動平均線(昨日は103.492円)”“日足・一目均衡表先行スパン上限(同103.499円)”水準へと戻した流れは、テクニカル的に“決して悪いとはいえない”からです。
また米利上げ観測は依然として残っており、いわゆるトランプリスクも低下しています。
このためドル自体にそれほど売り圧力がかかっているわけでもなく、ドルの押し目買いニーズは健在とみられます。

◆クロス円は“戻り売り”でも、ドル円は“押し目買い”…?

昨日はリスク回避に引っ張られましたが、やはり一辺倒の展開は想定しづらい…。
クロス円(特にポンド円)は“戻り売り”を想定せざるを得ませんが、ドル円に関しては“押し目買い”で臨みたいところです。
前記した“100日移動平均線(本日は103.426円)”“日足・一目均衡表先行スパン上限(昨日と同じく103.499円)へ収斂しようという圧力の存在を、頭の片隅に残しておきながら…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:104.316(9/2高値)
上値4:104.166(10/6高値)
上値3:104.000(大台、10/11高値、ピボット1stレジスタンス)
上値2:103.726(10/11高値後の61.8%戻し)
上値1:103.622(10/11高値後の50%戻し)
前営業日終値:103.486
下値1:103.333(10/11安値後の61.8%押し)
下値2:103.179(10/11安値)
下値3:103.000(大台、20週移動平均線、ピボット1stサポート)
下値4:102.795(10/10安値)
下値5:102.656(10/5安値、9/27~10/6の38.2%押し、ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:32 ドル円 抵抗・支持ライン追加
12:40 誤字修正
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想