“深化”しづらく、“緩み”やすい…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/10/03 10:57

◆ドイツ銀行巡る思惑にて揺れ動き… - 最終的には円売り優勢

※ご注意:予想期間は10月4日と表示されていますが、本日(10月5日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


またぞろ“ドイツ銀行の財政悪化懸念”が再燃したことで、上値の重い動きを強いられたドル円。
しかしながらNYタイムに入る頃には、それも再び緩和(後退)に向かいました。
米司法省が課す罰金が“140億ドル⇒54億ドルに減額”される可能性が報じられており、NYダウは一時220ドル超の上昇、米債券利回りも1.54%⇒1.61%と急反発を見せる中で、次第に円売りが目立っていきました。
東京タイムには101円を割り込む場面が見られたドル円も、その後の反発で概ね101円台はキープしており、最終的には101円半ばで先週末の取引を終えています。

なお注目された米個人所得(+0.2%)/個人消費支出(±0.0%)/PCEコアデフレータ(+1.7%)は、事前予想に届きませんでした。
しかし“9月指標”となるシカゴ購買部協会景気指数(54.2)/ミシガン大消費者態度指数(91.2)が共に強めとなったこともあり、大きな影響は見られませんでした。

◆引き続き警戒は必要だが、ドル買いオーダーは持ち上がってきた…?

前記“ドイツ銀行絡みの報道”の真偽は未確認であるだけに、この浮き沈みにて引き続き揺れ動きそうな雰囲気を醸し出しています。
しかしながら、ある程度の懸念はすでに織り込まれた印象があり、しかして円買いポジションはすでに積み上がっています。
少々食傷気味であることも合わせると、“深化”すれば話は変わってきますが、その可能性は大きく低下。
逆にそうでなければ(少しでも緩むようなことがあれば)巻き戻しを誘発しかねず、この可能性があがりつつあります。

オーダー状況を見ると、「20日移動平均線(本日は101.538円)~50日移動平均線(同101.765円)ともほぼ重なる29日高値(101.829円)」にドル売りオーダーが展開しており、上値を押さえ込んでいます。
しかしドル買いオーダーは「101.20-00円」へと持ち上がっている印象があり、かなりの厚みがあります。

どうしても下方向に持っていきたい向きは依然として存在しますが、リスク回避一辺倒にはなりづらいマーケット環境…。
戻り売り圧力は根強く、102円回復にはもう一段のポジティブ材料も欲しいところですが、少なくとも“下値追いは大きく後退”したと考えてポジショニングに臨みたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:102.308(ピボット2ndレジスタンス)
上値4:102.195(日足・一目均衡表基準線)
上値3:102.064(日足・一目均衡表先行スパン下限、大台)
上値2:101.829(9/29-30高値、50日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
上値1:101.541(20日移動平均線)
前営業日終値:101.399
下値1:101.158(9/27~9/30の38.2%押し)
下値2:100.951(9/27~9/30の50%押し、大台)
下値3:100.846(ピボット1stサポート)
下値4:100.748(9/30安値、9/27~9/30の61.8%押し)
下値5:100.639(9/29安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:08 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想