乱高下は見せても、一方向の動きは限定される…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/09/21 10:40

◆ビッグイベント控え、揉みあいに終始…

ビッグイベントを控えた昨日は、やはり揉みあいに終始しました。

102円台を回復する場面が見られたものの、長くは続きませんでした。
一方で101.50円を割り込むほどの勢いはなく、ジリジリと押し戻されていきました。
明確な方向性は見出せておらず、突っ込んだ動きは手控えられたままで、昨日の取引を終えています。

◆仕掛け的な円買いが持ち込まれても、長続きしない…? - 日銀会合

こうした中、本日はいよいよビッグイベント当日を迎えます。

まず日銀金融政策決定会合は“追加緩和見送り(据え置き)”との見方が多いですが、“マイナス金利深掘り”“利回り曲線スティープ化”等、考慮しなければならない選択肢を数多く抱えています。
このため「絞り切れていない」のが実状であり、「FOMCよりより波乱要素が大きい」といわれています。
個人的には“見送り”を想定していますので、「ファーストアクションは円買い」は避けられないと考えますが、ただFOMCを控えるスケジュール感です。
仕掛け的な円買いが持ち込まれたとしても、“自ずと限界あり”“長続きしない”と考えています。

◆こちらも一方的な展開は想定しづらい…? - FOMC

一方のFOMCも金利先物から見た9月利上げの確率が上がっておらず、この段階での利上げは“ポジティブよりネガティブ”に反応する可能性を否定できません。
マーケットとのコミュニケーションに腐心してきたこれまでの手法を考えると“利上げ見送り(据え置き)”と考えざるを得ず、「ファーストアクションのドル売り」も覚悟しなければならない局面といえそうです。
ただ時間的スパンを広げると“金利先高観はしっかりと残る”ことになり、こちらも一方的な展開は想定しづらいところです。

“双方共に見送り”という最も失望感が台頭しやすいシナリオですが、ただそれと値動きは別…。
“派手な乱高下”を演じる可能性は秘めていますが、最終的に“一方向への動きは限定される”と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:急変動が想定されるため、拡大して記載します。

103.797(9/6高値)
103.341(9/14高値、日足・一目均衡表先行スパン上限)
103.113(週足・一目均衡表転換線)
103.000(大台)
上値5:102.740(9/15高値)
上値4:102.597(50日移動平均線、ピボットハイブレイクアウト)
上値3:102.459(9/16高値、日足・一目均衡表転換線)
上値2:102.291(日足・一目均衡表先行スパン下限、20日移動平均線、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:102.000(大台、9/20高値、日足・一目均衡表基準線、ピボット1stレジスタンス、)
前営業日終値:101.713
下値1:101.532(9/19-20安値、ピボット1stサポート)
下値2:101.415(9/13安値)
下値3:101.195(9/7安値、ピボット2ndサポート)
下値4:100.958(ピボットローブレイクアウト、大台)
下値5:100.650(8/16~9/2の76.4%押し)
100.058(8/26安値、大台)
99.862(8/19安値、8/23安値)
99.646(8/18安値)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:57 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想