明確に剥落するまで、ドル堅調は続く…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/09/06 11:05

◆ドル買い一服も、あくまで“ポジション調整の範囲内”

※ご注意:予想期間は9月7日と表示されていますが、本日(9月6日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


レイバーデーということもあり、やはりドル買いは一服しました。
特に昨日は黒田日銀総裁の講演にて“具体的な方針”が見られなかったこともあり、円買いが頭をもたげました。
104円台でスタートしたドル円は、欧州タイム序盤には103.10円水準へと押し下げられています。
もっとも103円割れには至っておらず、下値の堅さも根強いものがありました。
このため昨日の動きは、あくまでも“ポジション調整の範囲内”といえそうです。

◆9月のメインは“日銀”ではなく“FOMC”

日銀緩和を巡る不透明感が続く限り、今後も円買いが頭を押さえる可能性は否定できないところです。
一方で今月のメインイベントは“日銀会合(追加緩和の思惑)”というより“FOMC(米利上げへの思惑)”の面が強く、円主導での下押しには限界があると見るのが自然です。
“米利上げへの思惑”が続く限り、ドル買いは続く可能性が高まっています。

しかしながら金利先物から見た9月の利上げの確率は“30%程度”と、ほとんど織り込まれておりません。
この段階での利上げは“ネガティブサプライズをもたらすリスク”が高く、このままでは「動かない(9月利上げはない)」と考えるのが自然です。
反面、9月利上げに踏み切ろうとするならば、要人発言等でこの確率をFOMCまでに“少なくとも50%強”へ引き上げる必要が生じると考えます。

◆“9月利上げの思惑”が残る限り、ドル買いは続く…!?

今週の主だった経済指標はISM非製造業景況指数(6日)/米地区連銀経済報告(ベージュブック・7日)がありますが、それ以上に注目しているのがFOMCメンバーの講演です。
カプラン・ダラス連銀総裁(中立)を除くと、比較的タカ派寄りメンバーの講演が相次ぐ今週…。
本日は予定されていません(初っ端は日本時間・7日10:15~のウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)が、その思惑が台頭する間はドルを押し上げる可能性大…。
9月利上げの確率が高まるか否かは、発言(もしくは経済指標)次第ですが、はっきりするまではドル堅調を見込みたいところです。
新たなドル売りポジションも、再び構築された?ようですので…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:104.316(9/2高値)
上値4:104.122(9/5高値)
上値3:104.000(大台、ピボット1stレジスタンス)
上値2:103.906(日足・一目均衡表先行スパン下限、9/2~9/5の61.8%戻し)
上値1:103.730(9/2~9/5の50%戻し)
前営業日終値:103.411
下値1:103.273(9/5安値~9/5NYタイム高値の61.8%押し)
下値2:103.144(9/5安値)
下値3:103.000(大台、ピボット1stサポート)
下値4:102.788(9/2安値、50日移動平均線)
下値5:102.689(8/26~9/2の38.2%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:26 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想