17年5月期経常増益予想銘柄に注目

著者:冨田康夫
投稿:2016/07/12 17:47

評価不足の好業績予想銘柄に注目

 数は少ないものの、5月期本決算企業の16年5月期通期決算と17年5月期通期の業績見通しの発表が佳境を迎えている。英国の欧州連合(EU)離脱問題に伴う世界規模での経済先行き不安や、英通貨ポンド安に端を発した他通貨に対する円高進行による輸出企業を中心とした業績悪化懸念が広がるなかで、好業績予想銘柄が評価不足となっているケースも多い。5月期決算の好業績予想銘柄に注目したい。

 ハニーズ<2792>は5日に、17年5月期の連結業績予想を発表。
売上高こそ574億円(前期比1.4%減)と、微減収予想となっているものの、経常利益は33億円(同2.9倍)とV字回復を見込む。同社はレディスカジュアル衣料を製造販売している。従来のブランドをわかりやすく集約し、精度の高い商品を提供することによって世代間でバランスの取れた客数増を目指し、10~40歳代と幅広い女性層の顧客獲得を狙う。また、東南アジアに生産拠点を持ち、外国為替市場での円高は業績に追い風となる。

 ウェザーニューズ<4825>は6月29日、17年5月期の連結業績予想を発表。
売上高は150億円(前期比3.4%増)、経常利益は33億円(同2.9%増)と増益を見込んでいる。今期は引き続き、従来の1航路ごとに対して最適航路選定を提供する航海気象サービス(OSR)から、全船隊の最適化までを推薦できるサービスを船種ごとに開発し、6000隻へのOSR提供を目指す。また、個人向けサービスは多様化する各プラットフォームに対し最適なコンテンツ配信を行うほか、プラットフォームを活用した新たなビジネスモデルの確立を図るとしている。

 三光合成<7888>は7日、17年5月期の連結業績予想を発表。
売上高は560億円(前期比0.6%増)、経常利益は20億円(同51.0%増)と大幅増益予想で、過去最高益更新を見込む。情報・通信機器などの高付加価値製品の拡充や、15年5月期に子会社化したエスバンスとの連携強化による金型受注拡大で業績拡大を目指す。また、原価低減を推進することで利益への貢献を図る。

 クスリのアオキ<3398>は6月30日、17年5月期の単独業績予想を発表。
売上高1910億円(前期比18.2%増)、経常利益93億万円(同0.8%増)を見込む。今期は、新規エリアへの進出を含めて、さらなるドミナント化を目指し、ドラッグストア70店舗の新規出店を計画しているほか、既存店でも品ぞろえの見直しや全面改装を実施し、利益率向上を狙う。また、ドラッグストア併設調剤薬局25薬局の新規開設を計画しており、業績への寄与を見込む。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想