伸び盛り、直近東証1部指定銘柄に注目

著者:冨田康夫
投稿:2016/03/30 18:19

<話題の焦点>

間もなく新入生や新入社員の初々しい姿が街で目につく季節が到来する。株式市場は、ひと足先に29日から実質4月新年度相場入り。さらに、3月の新規上場銘柄数は22社とIPOラッシュとなっている。その一方で、上場企業にとって“最終関門突破”ともいえる東証1部指定の銘柄は3月以降7社となっている。伸び盛りともいえる直近一部指定銘柄の魅力を改めて探った。

 フォーカスシステムズ<4662>は、3月4日付で東証1部指定。同社は、通信、官公庁、金融関連向けを中心に情報システムに関するコンサルティングから開発、運用・保守を含めた一貫体制を確立している。16年3月期連結業績は、売上高153億円(前期比1.4%増)、経常利益9億2000万円(同2.5%増)を見込む。17年3月期は社会保険や医療保険など公共関連システム開発の好調が見込まれる。

 オカダアイヨン<6294>は、同月18日付で東証1部指定。同社は破砕・解体用の建機メーカー。16年3月期連結業績予想は、売上高125億円(前期比4.7%増)、経常利益10億円(同5.5%増)を見込む。17年3月期は国内レンタル向けを積極化する。

 ソネック<1768>は、同月23日付で東証1部指定。同社は、兵庫県を地盤とする、民間建築主体の中堅ゼネコン。16年3月期連結業績は、売上高132億5000万円(前期比9.2%増)、経常利益6億5000万円(前期比横ばい)を予想。17年3月期は不採算工事の一巡などもあり、堅調な推移が見込まれる。

 本多通信工業<6826>は、同月23日付で東証1部指定。同社は、コネクター専門メーカーで、ほかにソフトウエア開発などの情報システム事業を展開している。16年3月期連結業績は、売上高170億円(前期比2.2%増)、経常利益13億円(同16.9%減)を見込む。17年3月期は、自動車向けに車載カメラ用コネクターの好調などで増益軌道への復帰が想定される。

 ビーアールホールディングス<1726>は、同月29日付で東証1部指定。同社は広島県を地盤とし、橋梁を中心にプレストレストコンクリート(PC)工事を専門分野とする建設会社。16年3月期連結業績は、売上高205億円(前期比0.6%減)、経常利益4億5000万円(同41.3%減)を見込む。17年3月期は、受注好調に加え、工事採算の改善も予想される。

 ヤマシンフィルタ<6240>は、同月31日に東証1部指定となる。同社は、建設機械の駆動に不可欠な油圧回路の作動油をはじめ、燃料のディーゼルオイルや、エンジン駆動に必要な潤滑油をろ過するフィルターが主力で、建機用の油圧回路フィルターでは世界最大手。16年3月期業績は減収減益となるものの、17年3月期は、大口の新規需要先の獲得で回復を狙う。

 鳥貴族<3193>は、4月1日付で東証1部指定となる。同社の16年7月期の単体決算は、売上高231億6100万円(前年同期比24.1%増)、経常利益13億1300万円(同21.3%増)と大幅な増収増益を見込む。新規出店による店舗数の増加や、既存店の好調に加えてさらなる商品力の向上とブランド力の強化が寄与している。
冨田康夫
株経ONLINE:編集長
配信元: 達人の予想