TOPIX +42 @1,990
日経平均 +528円 @28,456円
バイデン政権の医療顧問トップ(ファウチ氏)が新型コロナウィルスの変異種であるオミクロン株は重症化の度合いがそれほど高くない(=毒性は弱い)との認識を示し、これを好感して米国株は大きく上昇した。この流れを受けて、本日の日本株全般も大きく上昇した。日経平均は一時、690円高もあった。他方、経営不振が続く中国不動産大手の恒大集団が猶予期限内に米ドル建て社債の利払いをしなかったと報じられた。これは事実上のデフォルト(債務不履行)だが、中国政府が介入してソフトランディングさせるはずでありシステミック・リスク(=リーマンショックのように経済全体に波及するリスク)にはならいないとの認識が強く、日本株に対する悪影響は限定的だった。
現在の株式相場の方向性を左右する2大要因は(1)新型コロナウィルスの感染動向と(2)米国FRBの金融政策、である。前者はまだ予断を許さないが、相場にかなり織り込まれてきた。しかし、後者については量的金融緩和の縮小は始まったが、問題はいつFRBが金融引き締めに転じるかである。そのタイミングが前倒しなるのか後ろ倒しになるのかの見通し次第で2022年度前半の株価が大きく揺れ動くはずである。
日経平均の日足チャートを見ると、大陽線で大きく上昇し、下向きの10日移動平均線の上に浮上した。10日移動平均線の上に株価が戻ったのは11月22日以来である。
33業種中32業種が上げた。上昇率トップ5は、空運(1位)、海運(2位)、金属製品(3位)、ガラス・土石(4位)、鉄鋼(5位)となった。