新型コロナと金利上昇の2重苦にならなけば良いが・・・

優利加さん
優利加さん
昨日の米国株式相場は大幅続落した(DJIA -461.68 @42,022.04, NASDAQ -283.64 @15,254.05, S&P500 -53.96 @4,513.04)。ドル円為替レートは113円台前半の前日比円高水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が667に対して、下落銘柄数は1,431となった。騰落レシオは69.23%。東証1部の売買代金は3兆1477億円。

TOPIX -10 @1,926
日経平均 -182円 @27,753円

米国でオミクロン型の感染者が初めて確認され、米国株は大幅続落した。ダウ工業株30種平均は2日間で1,100ドルも急落した。この流れを受けて、本日の東京市場でも売りが優勢となった。日経平均は一時、300円近く下げた。経済活動の正常化が遅れるとの見方から、特に、空運、鉄道、百貨店などの銘柄が売られた。ただ、売り優勢となった理由は他にもある。岸田政権はオミクロン型の感染拡大を警戒してややドタバタ劇のように水際対策を矢継ぎ早に打ち出しているが、新型コロナ対策に意識が向きすぎるため、内需回復のための景気刺激策が手薄になるのではないかという懸念である。

また、米国に目を向けると、インフレの高進に伴いハト派だったFRBが明確にタカ派に舵を切り始めた。利上げ開始は2022年半ばと見られていたが、それが早まりそうである。米国が利上げをすれば、ほぼ確実に他国は自国通貨防衛と米国産のインフレ輸入を防ぐために利上げへ追い込まれ、世界景気に下方圧力をかける。そして、それが世界の株価を押し下げる力となる。それまでに新型コロナウィルスの感染が収まり、経済が十分正常化していれば軽傷で済むかもしれないが、来年半ばになってもまだ新型コロナウィルスとの格闘が世界中で続いていたら、金利上昇とコロナによる景気下押し圧力の2重苦を抱え込むことになる。

日経平均の日足チャートを見ると、終値では下げたが、昨日の安値を割り込んではいない。ただ、今日も上下に長いひげを引いた短陽線となり、強弱感が拮抗している。11月16日以降は短期間で大きく下落したので、下値余地は小さくなっているため、さらに悪い大きな悪材料が出て来なければ、下げ渋りからやがて自律反発狙いの買いが優勢になると見ている。それでも、今の段階ではまだ下げ止まったと仮判断すらできない。下向きの10日移動平均線の下に沈んでいる限り、テクニカル的にも下げ止まったとは言えないからである。

33業種中21業種が下げた。下落率トップ5は、鉱業(1位)、空運(2位)、精密機器(3位)、陸運(4位)、情報・通信(5位)となった。

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