材料不足で値動きが鈍い

優利加さん
優利加さん
先週金曜日の米国株式相場では、ダウ工業株30種平均とS&P500が下げたが、ナスダックは上げた。ドル円為替レートは114円台前半での動きだった。本日の日本株全般は高安まちまちとなった。東証1部では、上昇銘柄数が1,054に対して、下落銘柄数は1,023となった。騰落レシオは83.33%。東証1部の売買代金は2兆3720億円。

TOPIX -2 @2,043
日経平均 +28円 @29,774円

先週金曜日の米国株式相場は高安まちまちとなったため、本日の日本株も材料不足で上値が重い展開だった。明日は日本は祝日で株式市場が休場であることもその理由である。理由は定かではないが(たぶんマスク着用が社会的習慣としてあるからか)、冬が本格化しているにもかかわらず世界の中で日本だけが新型コロナウィルスの新規感染者が非常に低い。対照的に欧州を中心とした諸外国ではまた新規感染者が急増しており、ロックダウンを再開したために暴動まで起こる国もある。世界的に景気回復が軌道に乗ったと言えるような状況ではない。世界経済が正常化すると期待できないと景気敏感株全体は上げにくい。多方、足元では上昇して来た米長期金利が上昇一服して少し下げるとハイテク成長株は理論株価が上がるため買われやすい。これが先週金曜日の米国株式相場で景気敏感株が主力のダウ工業株30種平均が下げ、反対にハイテク株が主力のナスダックが上げた背景である。景気の行き先が不透明でもその悪影響を受けにくい業種もある。それが医薬品である。本日は医薬品(塩野義製薬やアステラス製薬など)が際立って買われた。

日経平均の日足チャートを見ると、先週金曜日の陽線に続き本日も陽線となり、少しだけ上げて終えた。そして上向きの10日移動平均線の上で推移しており、短期上昇トレンドにあるが11月4日の戻り高値@29,880円、11月16日の戻り高値@29,960円が上値抵抗線として意識される。明日以上の株価は今夜以降に明らかになる大小様々株価材料により細かい動きは左右される。しかし、大きな潮流は、いつどのように新型コロナウィルスの新規感染者が世界中で低下傾向が明らかになるかということと、米国の量的金融緩和がテーパーリング(これはまだ金融引き締めではない)を完了するであろう2022年半ば頃に、利上げ(金融引き締め)に踏み切るかどうかというマーケットの読みと反応次第だろう。米国が利上げをすれば、間違いなく新興国の幾つかから資本が大量に流出し、その国の通貨安・ドル高となり、債務問題が蒸し返されるはずである。これが巡り巡って先進国の株式相場にも影響を与える。

33業種中20業種が上げた。上昇率トップ5は、海運(1位)、保険(2位)、証券(3位)、ガラス・土石(4位)、倉庫・運輸(5位)となった。

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