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週末まとめ -11/9/2008-

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★アメリカ
週間では、ダウは-4.9%、ナスダック指数は-4.3%、S&P500は-3.9%でした。火曜日の大統領選を控えて新大統領誕生への期待感から、月曜日火曜日はリバウンド基調継続でしたが、実際にオバマ新大統領が誕生すると出尽くし感からか、水曜日、木曜日は両日ともダウ-400ドル超えの大幅下落。金曜日はバーゲンハンターが買い向かったのか反発しました。

低下基調だったVIX指数は水曜木曜に上昇しましたが金曜の反発で再び下落。株価が反発すれば素直に下落するようになってきました。10月は株価が少しぐらい反発しても高止まりすることが多かったので、10月に比べると恐怖に支配されている感じはしないです。為替も落ち着いています。TEDスプレッドも低下してきました。

ISM製造業/非製造業景気指数はいずれも相当な低水準。10月の自動車販売も落ち込みが激しい。失業保険継続需給者数は過去25年で最悪の水準まで上昇。金曜発表の雇用統計もひどい数字で、2001年リセッションの最悪期とほぼ同じレベルまでいきました。景気全体の落ち込みの深さは2001年を超えそうですね。製造業の景況感はすでに2001年の水準を下抜けています。この景気悪化を受けて、次回FOMCでFFレートが0.5%に引き下げられるとの予想も出てきています。(しかし、株価の先行性ってすごいですね。9月、10月の醜悪な経済指標が出る前からガンガン下がっていきましたから)

オバマ政権で想定される政策のうち、株式市場に直接かかわりそうなものをピックアップ。
・金融業界は規制強化。金融セクター×
・薬価引き下げ。ファイザー、メルクなどのブランド薬中心の大手製薬×
・石油会社に対し原油価格上昇により押し上げられた収益に課税。エクソンモービルなどのエネルギーセクター×
・米自動車メーカーを支援。500億ドルのローン保証を行うほか、他の選択肢も検討する。GM、フォードなどの米自動車メーカー○。日本の自動車メーカーには悪影響の可能性も。
・インフラ整備の公共事業を積極化する。主要道路や橋、港湾、空港などの社会投資を増やし最大200万人の新規雇用を実現する。キャタピラーなどインフラ関係○
・代替エネルギーの技術開発など環境対策を兼ねたグリーン雇用を500万人創出するため、今後10年間で1500億ドル(約15兆円)を投資する。

今週は先進国各国で大幅利下げが行われました。各国ともざくざくと政策金利を引き下げています。それだけ今回の金融危機・景気後退を重くみているのでしょう。(ECBの7月の利上げは大失敗でしたね)
ECB:0.5%引き下げて、3.25%に
英中銀:1.5%引き下げて、3.0%に
スイス中銀:0.5%引き下げて、2.0%に
豪中銀:0.75%引き下げて、5.25%に

水曜日、木曜日の大幅下落には、ヘッジファンドの現金化も寄与したようです。ファンドの解約期限は今月15日までのところが多い(と言われている)ので、来週いっぱいは需給が悪い可能性があります。ただ、ここ数年の11月の日本市場の動きを見てると下旬まで弱い相場が続くことが多かったので、15日を過ぎてもすぐに需給はよくならないかもしれません。投信の解約は、期限関係なくいつでも出てきますし。


★日本
週間では、日経平均は+0.08%、TOPIXは+1.38%でした。月曜日は祝日で休場。日経平均は、火曜日水曜日に合わせて11%の大幅上昇をして、木曜日金曜日の大幅下落でそれを吐き出した形になりました。個別銘柄でも、トヨタ、キヤノンなどの大型株が一日で10%上がったり下がったりするのが当たり前になっていて、すごくボラの高い相場が続いています。

先週今週は多くの企業の中間決算と通期業績下方修正が発表されました。木曜日に発表されたトヨタの通期業績下方修正はダメ押しとなるような厳しい数字で、企業業績の悪化を印象付けました。ただ、金曜日のトヨタ株は-9%程度でストップ安張り付きでは引けず、ある程度は織り込み済みだった感じもします。

大手企業についてはだいたい中間決算と通期下方修正が出揃いました。今のところ、日経平均のEPSは、前期実績850円⇒今期予想590円になっています。純利益は約30%の減益ですね。東証一部全体だと約25%の減益です。日経平均は、京セラ、TDK、ファナック、東京エレクなど値嵩輸出株の指数寄与度が大きいので、円高局面では減益幅が大きくなるのでしょう。ちなみに以下の数字を使って計算しています。
http://markets.nikkei.co.jp/kokunai/japanidx.aspx

金曜の株式市場は日米とも下げ渋りましたし、日経平均は年内は8000-10000円程度で推移ですかね。1ドル95円以下になると、8000円を割れそうですが。1ドル100円超えれば10000円超えもあると思いますが、ユーロも弱いからドル高だけでは株価も上がらないかもしれません。


★為替
株式市場の乱高下や各国中銀の大幅利下げにも関わらず、あまり動きませんでした。株式市場や商品市場もそうですが、ファンダメンタルズに次の大きな変動が出るまでは、とりあえずはここらの水準で一服しそうです。


★商品
全体的に小動き。原油価格(WTI)は一時60ドル割れを記録。


★今週の予定

10日(月)
 9月機械受注(日)
11日(火)
 9月経常収支(日)
 10月景気ウォッチャー調査(日)
 AIG、スタバ決算発表
12日(水)
 10月消費者態度指数(日)
13日(木)
 10月企業物価指数(日)
 週間失業保険申請件数(米)
 ウォルマート、JCペニー決算発表
14日(金)
 ユーロ圏第3四半期GDP速報
 10月輸入物価指数(米)
 10月小売売上高(米)
 11月ミシガン大消費者信頼感指数(米)

15日(土)
 G20 金融サミット
2件のコメントがあります
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    イカのおすしさん
    2008/11/9 18:33
    こんばんは。相場は一時期に比べると大分落ち着いて来たような感じですね。まあまだ上がったり下がったり忙しい展開が続くのですが何か新しい材料が無ければこの辺で一旦は止まってくれるかなと思います。

    オバマさんに関して何か良い代替エネルギーの株は無いかなと探していたのですが、アメリカのエタノールの株がボロ株みたいになっててビックリしました・・・ 
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    NGTNさん
    2008/11/9 21:49
    ニュースフローは落ち着いてきて、相場も落ち着いてきそうな感じですね。CitiやGMがズルズル下げているのが、ちょっと気持ち悪いですが。。。

    エタノール関連はひどいことになっていますね。ヴェラサンは倒産しましたし。ソーラーパネルなどもそうですけど、有象無象が群がって過剰設備、過剰生産になってたところに、原油価格の急落ですから・・・。
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