円安進行でも株安

優利加さん
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昨日の米国株式相場は上昇した(DJIA +54.77 @36,142.22, NASDAQ +120.02 @15,973.86, S&P500 +18.10 @4,700.90)。ドル円為替レートは114円台後半の前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は下げる銘柄の方が多かった。東証1部では、上昇銘柄数が410に対して、下落銘柄数は1,706となった。騰落レシオは88.09%。東証1部の売買代金は2兆7424億円。

TOPIX -12 @2,038
日経平均 -120円 @29,688円

米国株式相場は主要3指数が揃って上昇したことを好感して、日経平均は高く始まった。しかし、節目となる30,000円目前まで上げたが突破できない雰囲気となると、前日までの4営業日で700円ほど上げていたこともあり利食い売りが優勢となり反落し始めた。

一般的に、円安進行は輸出関連銘柄の支援材料となり相場全体を押し上げる力となることが多い。しかし、過去30年の間に日本の経済構造は大きく変化して来た。日本のGDPに占める製造業の比率は1970年代の35%から2010年代には20%へ低下している。プラザ合意の後、1980年代後半には円高が急速に進み製造拠点を本格的に海外へ移し始めた。その結果、円安進行のプラス効果はかなり低下し、寧ろ交易条件の悪化により日本経済全体にとってはマイナスの影響の方が大きくなる場合もある。足元の円安基調は原材料の輸入コストを押し上げるため、日本の企業業績全体を悪化させる懸念すら高まっている。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日の短陽線に対して本日は長陰線で「包み線」を形成した。高値圏では「売り線」と見なされる。もし数日以内にこの陰線の安値を下回ると、今年9月中旬から下旬のように売りが加速する可能性が高くなる。

33業種中28業種が下げた。下落率トップ5は、空運(1位)、医薬品(2位)、食料品(3位)、建設(4位)、パルプ・紙(5位)となった。


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