7日の日経平均は、8583.00(-316.14)で続落。一時8266まで下げ、その後先日の終値近くまで戻す場面もあったが、結局乱高下した末大幅な続落で終わった。水準としては、ちょうど転換線8258の近辺まで下げ、やや長い下髭をひいて戻し、転換線の上で終わっている。転換線の上をキープしたことから、目先はこのへんでとまりそうな期待をいだかせる。だが日足のMACDやRCIは息切れしそうな感じになっているし、週足をみると、転換線にもとどかないで、上下に長い髭をだしており、上髭がやや長い陰線で、弱気を示している。目先はとまるかもしれないが、まだ中期的には下値がきちんと固まっているとはいえないというところか。
一方7日のNYダウは、8943.81(+248.02)で、かなり大きく上昇。8914.34の日足転換線を回復した。雇用統計自体は24万人減少と予想の20万人を大きく上回る悪化、失業率も6.5%と1994年以来の高さに上昇したが、市場はすでに織り込んでいたともいわれている。だがあがったといっても、転換線すれすれのところで、上値を追うような勢いがあるとは言いがたい。日足のMACDはプラス圏までいかずに息切れ、RCIも天井をうった感じがあり、戻りが一巡した感じは否めない。GMの四半期決算も予想以上に悪く、クライスラーとの合併も凍結ということで、金融不安が一服したあとは、自動車産業などの雇用不安などがきそうな感じだ。まだアメリカ経済の底がみえた感じはしない。
為替は98円台で小康をたもっている感じだ。とはいえ、日足の転換線は、95.23、基準線は99.23で、基準線近辺まで一度戻して天井をうってドル安を試す過程にはかわりはない。週足の転換線は100円のところにあり、中期も基本的にはまだ円高トレンドである。全体として、金利の下げ余地があまりない円が、買われやすい傾向は基調として続いているとみるべきだろう。
週末の日経平均は下落したが、1兆円を超すトヨタの衝撃的な下方修正にもかかわらず、さしあたりいはそこそこ下げ渋っているともいえ、目先は意外に底堅いようだ。PBR一倍われという異常な水準には簡単にはもどらないのではないか。とはいえ、日経平均の現水準は来期2割の減益をおりこんでいるとされているものの、トヨタの例からみると、まだ減益幅が広がる懸念があり、現水準で底が固まっているとも言いにくい。ヨーロッパ各国の大幅な利下げ、特にイングランド銀行の1.5% もの利下げも、今のところは、好材料というより、当局の危機感を示すものとして受け止められいるようだ。10月の最安値を下回ってくるほどの下げのエネルギーがあるとは思いがたいが、だからといって、景気の実体から見て、上げる要因も乏しい。実体経済ー特に米の住宅、自動車などに対する対策がいろいろでてきて、底打ちしてこないと上昇機運にむかうのは難しいかもしれない。それは結局オバマ就任以後ということになるのだろうか。ただ、恐慌がおきないとすれば、株価は底値圏にあると思われ、長期投資にはチャンスと見る向きもでてくるところだろう。