木下 晃伸さんのブログ
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【投資脳のつくり方】トヨタ営業益、7割減に
■トヨタ自動車が業績の大幅下方修正を発表、昨日の米国市場では
トヨタ自動車(ADR)は約17%もの下落を演じました。
前場終了時点では、まだ寄り付いていない、という状況です。
■しかし、当メールマガジンでは、トヨタ自動車に関して、
業績下方修正リスクがあり、それはトヨタショックと呼ばれるほどのものになる、
と書いてきました。
本日は、トヨタを手始めに、刻一刻と変化する状況について
解説を試みたいと考えています。
■日経平均株価は一時、前日比630円超値下がりし、8200円台まで下落しています。
ただ、前場終了時点では下げ渋り、日経平均の午前の終値は
前日比386円85銭(4.35%)安の8512円29銭。
午後2時過ぎに急変することもよくある相場環境ですので、
安心というわけにはいきません。が、戻り基調である内容を見ると、
外需は厳しいものの、内需系企業で踏みとどまっている企業も多く見られます。
情報とともに、株価にも注意を払いたいと思います。
それでは、週末最後のメールマガジンになります。
来週もよろしくお願いいたします。
※メールマガジンの内容はこちらでも公開しています。
※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上、ご利用ください。
┏━ 【経済アナリストが斬る!投資に役立つ3大ニュース】 ━━━━━┓
1.トヨタ営業益、7割減に
2.日米欧マイナス成長に
3.10月の米小売売上高0.9%減 7カ月ぶり前年割れ
http://www.terunobu-kinoshita.com/20081107-toushinou.pdf
──────────────────────────────────
1.トヨタ営業益、7割減に
(出所)2008年11月7日付日本経済新聞朝刊1面より
●トヨタが業績を1兆円下方修正
●これを受け、株価は大きく下落
●北米クリスマス商戦を控え、外需への投資は慎重に
トヨタ自動車は6日、2008年4―9月期連結決算(米国会計基準)の発表とあわせて
09年3月期の業績見通しを下方修正した。
今期の本業の稼ぎを示す営業利益は前期比74%減の6000億円と
従来予想を1兆円下回る。
金融危機が波及し、北米や欧州など先進国を中心に自動車販売が減少。
前提となる為替レートを円高方向に見直したことで円換算した利益が目減りする。
今期は大手7社の営業利益は合計で約2兆8000億円減る見通しで、
全上場企業の営業利益の約1割に相当する額が吹き飛ぶ計算だ。
しかし、このことは想定通りという見方もできる。
トヨタ自動車に関しては、8月にも下方修正のリスクをお伝えし、
さらに、当メールマガジン10月22日付で以下のコメントを寄稿した。
●自動車産業はすそ野が広い。
また、消費動向を表す上でも最も顕著に動きが出る産業だ。
そのため、世界中で消費が冷え込むと株価的には苦しい。
さらに、好調であった新興国でも苦境が取りざたされ、八方塞がりの状態だ。
トヨタ自動車も最終的には、
ショックと呼ばれるほどの業績悪化に見舞われる可能性はある。
当メールマガジンでも何度かお伝えしてきたように、外需、
特に自動車、家電は苦しい状況がこれからも続く。
北米クリスマス商戦が本格化し、さらに、その結果が明らかになる来年初までは、
外需企業への投資は慎重に考えるべきだと考える。
2.日米欧マイナス成長に
(出所)2008年11月7日付日本経済新聞朝刊1面より
●先進国がそろってマイナス成長になる異常事態
●利下げは効果があるのか?
●新興国の倒産リスク後退は、ポジティブな動き
国際通貨基金(IMF)は6日、2009年に戦後初めて日米欧の成長率が
そろってマイナスになるとの見通しを発表した。
IMFが発表した最新の世界経済見通しによると、
09年の世界全体の実質経済成長率は10月8日時点の前回予測より
0.8ポイントの下方修正となり、2.2%まで落ち込む。
地域別のマイナス幅は米国が0.7%、ユーロ圏が0.5%。
先進国で最も落ち込みが大きい英国は1.3%。日本は0.2%。
前回予測から一カ月足らずで大幅な修正を迫られたのは、
金融危機の影響が世界経済に急速に波及したためだ。
特に10月に新興国の債務不履行(デフォルト)リスクが顕在化し、
投資資金が一気に収縮したことで、世界的に株式市場がダメージを受けた。
※iShares JPMorgan USD Emerg Markets Bond (EMB)
http://finance.yahoo.com/q?s=EMB
EMBが持ち直している点は、評価できるが、
金融危機に端を発した世界経済の減速が一段と深刻になる公算が
大きくなってきたことを受け、欧州中央銀行(ECB)は0.5%、
英イングランド銀行が1.5%の利下げを決定。
利下げで先行した日米に足並みをそろえた点は、
素直に株高につながるとは思えない。
利下げは、株価上昇要因になりえず、むしろ株価下落要因と考えるべきだからだ。
プラス要因とマイナス要因がぶつかりあい神経質な動きが続くが、
ひとまず金融面での心配はかなり薄れている。
10月の暴落を経験したからこそ耐性がついた投資家にとっては、
悲観的になる必要はない。
3.10月の米小売売上高0.9%減 7カ月ぶり前年割れ
(出所)2008年11月7日付日経速報ニュースより
●消費が急速に減退へ
●特に、富裕層向けが厳しい
●日本は今までが悪かったから、戻るだけでポジティブ
米主要小売業の10月の売上高は、新規出店の効果を除いた既存店ベースで
前年同月比0.9%減だった。前年を割り込んだのは7カ月ぶり。
売り上げが約2割減と大幅に落ち込む高級百貨店が続出し、
富裕層にも出費を最小限に抑えようという意識が浸透していることを裏付けた。
消費不振は金融危機が表面化した9月よりさらに悪化しており、
年末商戦の不調を予想する声が強まってきた。
国際ショッピングセンター協会(ICSC)が主要37社のデータを集計した。
前年割れは3月(0.5%減)以来。
ただ、安売りで売り上げが底堅いディスカウント最大手の
ウォルマート・ストアーズを除いたベースでは4.2%減と
「1991年11月以来最も悪い数字」(ICSC)で、実質的には急減速といえる。
9月に比べ一段と冷え込んだのは、超高級や高級と位置づけられる百貨店だ。
ニューヨークの著名百貨店「バーグドルフ・グッドマン」などを持つ
ニーマン・マーカスは26.8%減となり、9月(12.9%減)や8月(0.5%減)から
加速度的に悪化。
逆に日本はどうか。
たしかに、消費者態度指数を見ると、ここ十数年で過去最悪の水準だ。
しかし、景況感が悪化する中で、
手が届きやすい値段でカジュアル衣料を提供するユニクロを展開する
ファーストリテイリング(9983)やライトオン(7445)などは底堅い。
北米消費はこれから悪化するが、もうすでに大底である日本の消費は
これからもち直すだけでも、プラス効果だ。
為替が円高に振れる今、
日本の内需への投資を見直すいいチャンスではないか、と考える。
────────────────────────────────────
■編集後記
────────────────────────────────────
●懸念と現実
懸念が現実になるとき、株式市場は容赦ない荒っぽい出迎え方をします。
かつてSONYがそうでした。
業績が好調な時は、株式市場が褒め称えられましたが、今ではどうか・・・
今後、トヨタ自動車は、同様の道をたどる可能性があります。
ただ、トヨタ自動車は業績が悪化する時、本領を発揮する会社。
かつて、90年代初期にも、連続減益に陥った危機を乗り越え、
世界一にまで上り詰めたわけです。
今回の危機がトヨタ自動車を
再び、最強の製造業に変えるキッカケとなることを期待しながら、
今後のトヨタ自動車の施策に着目していきたいと思います。
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◆木下氏の情報をチェック!
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前場終了時点では、まだ寄り付いていない、という状況です。
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と書いてきました。
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解説を試みたいと考えています。
■日経平均株価は一時、前日比630円超値下がりし、8200円台まで下落しています。
ただ、前場終了時点では下げ渋り、日経平均の午前の終値は
前日比386円85銭(4.35%)安の8512円29銭。
午後2時過ぎに急変することもよくある相場環境ですので、
安心というわけにはいきません。が、戻り基調である内容を見ると、
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1.トヨタ営業益、7割減に
2.日米欧マイナス成長に
3.10月の米小売売上高0.9%減 7カ月ぶり前年割れ
http://www.terunobu-kinoshita.com/20081107-toushinou.pdf
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1.トヨタ営業益、7割減に
(出所)2008年11月7日付日本経済新聞朝刊1面より
●トヨタが業績を1兆円下方修正
●これを受け、株価は大きく下落
●北米クリスマス商戦を控え、外需への投資は慎重に
トヨタ自動車は6日、2008年4―9月期連結決算(米国会計基準)の発表とあわせて
09年3月期の業績見通しを下方修正した。
今期の本業の稼ぎを示す営業利益は前期比74%減の6000億円と
従来予想を1兆円下回る。
金融危機が波及し、北米や欧州など先進国を中心に自動車販売が減少。
前提となる為替レートを円高方向に見直したことで円換算した利益が目減りする。
今期は大手7社の営業利益は合計で約2兆8000億円減る見通しで、
全上場企業の営業利益の約1割に相当する額が吹き飛ぶ計算だ。
しかし、このことは想定通りという見方もできる。
トヨタ自動車に関しては、8月にも下方修正のリスクをお伝えし、
さらに、当メールマガジン10月22日付で以下のコメントを寄稿した。
●自動車産業はすそ野が広い。
また、消費動向を表す上でも最も顕著に動きが出る産業だ。
そのため、世界中で消費が冷え込むと株価的には苦しい。
さらに、好調であった新興国でも苦境が取りざたされ、八方塞がりの状態だ。
トヨタ自動車も最終的には、
ショックと呼ばれるほどの業績悪化に見舞われる可能性はある。
当メールマガジンでも何度かお伝えしてきたように、外需、
特に自動車、家電は苦しい状況がこれからも続く。
北米クリスマス商戦が本格化し、さらに、その結果が明らかになる来年初までは、
外需企業への投資は慎重に考えるべきだと考える。
2.日米欧マイナス成長に
(出所)2008年11月7日付日本経済新聞朝刊1面より
●先進国がそろってマイナス成長になる異常事態
●利下げは効果があるのか?
●新興国の倒産リスク後退は、ポジティブな動き
国際通貨基金(IMF)は6日、2009年に戦後初めて日米欧の成長率が
そろってマイナスになるとの見通しを発表した。
IMFが発表した最新の世界経済見通しによると、
09年の世界全体の実質経済成長率は10月8日時点の前回予測より
0.8ポイントの下方修正となり、2.2%まで落ち込む。
地域別のマイナス幅は米国が0.7%、ユーロ圏が0.5%。
先進国で最も落ち込みが大きい英国は1.3%。日本は0.2%。
前回予測から一カ月足らずで大幅な修正を迫られたのは、
金融危機の影響が世界経済に急速に波及したためだ。
特に10月に新興国の債務不履行(デフォルト)リスクが顕在化し、
投資資金が一気に収縮したことで、世界的に株式市場がダメージを受けた。
※iShares JPMorgan USD Emerg Markets Bond (EMB)
http://finance.yahoo.com/q?s=EMB
EMBが持ち直している点は、評価できるが、
金融危機に端を発した世界経済の減速が一段と深刻になる公算が
大きくなってきたことを受け、欧州中央銀行(ECB)は0.5%、
英イングランド銀行が1.5%の利下げを決定。
利下げで先行した日米に足並みをそろえた点は、
素直に株高につながるとは思えない。
利下げは、株価上昇要因になりえず、むしろ株価下落要因と考えるべきだからだ。
プラス要因とマイナス要因がぶつかりあい神経質な動きが続くが、
ひとまず金融面での心配はかなり薄れている。
10月の暴落を経験したからこそ耐性がついた投資家にとっては、
悲観的になる必要はない。
3.10月の米小売売上高0.9%減 7カ月ぶり前年割れ
(出所)2008年11月7日付日経速報ニュースより
●消費が急速に減退へ
●特に、富裕層向けが厳しい
●日本は今までが悪かったから、戻るだけでポジティブ
米主要小売業の10月の売上高は、新規出店の効果を除いた既存店ベースで
前年同月比0.9%減だった。前年を割り込んだのは7カ月ぶり。
売り上げが約2割減と大幅に落ち込む高級百貨店が続出し、
富裕層にも出費を最小限に抑えようという意識が浸透していることを裏付けた。
消費不振は金融危機が表面化した9月よりさらに悪化しており、
年末商戦の不調を予想する声が強まってきた。
国際ショッピングセンター協会(ICSC)が主要37社のデータを集計した。
前年割れは3月(0.5%減)以来。
ただ、安売りで売り上げが底堅いディスカウント最大手の
ウォルマート・ストアーズを除いたベースでは4.2%減と
「1991年11月以来最も悪い数字」(ICSC)で、実質的には急減速といえる。
9月に比べ一段と冷え込んだのは、超高級や高級と位置づけられる百貨店だ。
ニューヨークの著名百貨店「バーグドルフ・グッドマン」などを持つ
ニーマン・マーカスは26.8%減となり、9月(12.9%減)や8月(0.5%減)から
加速度的に悪化。
逆に日本はどうか。
たしかに、消費者態度指数を見ると、ここ十数年で過去最悪の水準だ。
しかし、景況感が悪化する中で、
手が届きやすい値段でカジュアル衣料を提供するユニクロを展開する
ファーストリテイリング(9983)やライトオン(7445)などは底堅い。
北米消費はこれから悪化するが、もうすでに大底である日本の消費は
これからもち直すだけでも、プラス効果だ。
為替が円高に振れる今、
日本の内需への投資を見直すいいチャンスではないか、と考える。
────────────────────────────────────
■編集後記
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●懸念と現実
懸念が現実になるとき、株式市場は容赦ない荒っぽい出迎え方をします。
かつてSONYがそうでした。
業績が好調な時は、株式市場が褒め称えられましたが、今ではどうか・・・
今後、トヨタ自動車は、同様の道をたどる可能性があります。
ただ、トヨタ自動車は業績が悪化する時、本領を発揮する会社。
かつて、90年代初期にも、連続減益に陥った危機を乗り越え、
世界一にまで上り詰めたわけです。
今回の危機がトヨタ自動車を
再び、最強の製造業に変えるキッカケとなることを期待しながら、
今後のトヨタ自動車の施策に着目していきたいと思います。
─────────────────────────────────────
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