垂直の壁 ある男の登攀記録
「ハアハア、も、もう少しだ・・。もう少しで頂上に手が届く・・」
垂直の壁に挑戦してからどの位の時間が経っただろうか。
つい先程だったような気もするし、何十時間も経ったような気もしていた。
この間、何度も命の危険を感じた事もあった。
しかし男はその度に苦難を乗り越えてきたのである。
その苦難も、この達成感があればこそ報われるのだ。
達成感ゆえ溢れる涙。
「な、長かった・・。ようやく頂上だ!」
男は頂上に手をかけた。そして体重を乗せて体を上げる。
ああ、こ、これは!? そこで男が見たものは・・・
ここは2合目 峠の茶屋
という幟(のぼり)だけだった。
嗚呼、我々が天井だ底だと騒いでる場所は
所詮その2割の位置にしか過ぎないのだなぁ・・。
※ある男の株式記録より※