新型コロナウイルスワクチンの主要な原料で、日本企業が存在感を示している。ワクチンの開発では米ファイザーやモデルナといった海外の大手製薬企業が注目を集めるが、日本のしょうゆメーカーなども原料を提供して貢献している。
医薬などの原料の研究に取り組む研究員ら(ヤマサ醤油提供)
シュードウリジンは、新型コロナワクチンのスピード開発につながるカギとなった物質だ。mRNAは、体内に入れると免疫が働いて炎症を起こすことからワクチンへの活用が難しいとされてきた。ハンガリー出身の研究者カタリン・カリコ博士らが、mRNAを構成する物質の一つである「ウリジン」をシュードウリジンに置き換えることで、体の免疫システムに異物として認識されず、体内にとどまりやすくなることを示した。
1645年創業で千葉県銚子市に本社を置くヤマサ 醤油しょうゆ は、ファイザーやモデルナなどの新型コロナワクチンで使われる重要な遺伝物質「メッセンジャーRNA(mRNA)」に欠かせない「シュードウリジン」という原料を供給している。