やはり「もうはまだ」の相場格言は正しかった

優利加さん
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昨日の米国株式相場はまた大きく反落した(DJIA +323.54 @34,002.92, NASDAQ -311.22 @14,255.48)。ドル円為替レートは111円台前半での動きだった。東証1部では、上昇銘柄数が288に対して、下落銘柄数は1,843となった。騰落レシオは106.26%。東証1部の売買代金は3兆6152億円。

TOPIX -26 @1,948
日経平均 -623円 @27,822円

やはり「もうはまだ」の相場格言は正しかった。悪い時には悪い材料が幾つも重なって飛び出して来て相場を大きく下へ引き下ろす。日経平均の下げ幅は一時900円を超えるほどで、これで7日続落した。7日続落は2019年4月26日から5月14日の時以来約2年5カ月ぶりである。これで菅前総理の退陣表明をきっかけに急上昇した株価は振出しに戻った。主な悪材料を整理してみる。

(1)中国の不動産大手、中国恒大集団の資金繰り問題。
(2)米国連邦政府の債務上限問題。
(3)原油高・資源高によるインフレ懸念の高まりとそれを受けてFRBの量的金融緩縮小と利上げの開始が早まるかもしれないとう懸念。長期金利が上昇すれば成長株の理論株価はより大きな下方圧力がかかるため、実際の株価も下がる。既にGAFAMの時価総額は9月上旬には9.3兆ドル(約1,030兆円!)だったものが10月4日時点では8.4兆ドルまで約1割下げた。
(4)岸田新内閣が金融所得課税を検討しており、これを嫌気して売りが増加している。2014年に証券優遇税制が打ち切られた際には、実施直前に向けて駆け込み的に売りが急増して、13年11~12月の2カ月間だけで個人投資家は約4兆円も売り越した。
(5)原油高・資源高と人手不足により日本企業の業績見通しが10~12月期とさらにその先の2022年1~3月期は事前予想よりも下がるのではないかという懸念が高まりはじめた。

日経平均の日足チャートを見ると、大きく窓を空けて下落して5月13日安値@27,385円直前まで急落して来た。陰線引けではあるが実体部分よりも長い下ひげを引いたため、今日のところは渋り感が強い。260日移動平均線はしっかり上向きなので中期的にはまだ上方向で間違いないが、目先は乱高下が続くと見ておく。

33業種中26業種が下げた。下落率トップ5は、精密機器(1位)、機械(2位)、情報・通信(3位)、医薬品(4位)、電気機器(5位)となった。

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