米国長期金利の上昇で日米株安

優利加さん
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昨日の米国株式相場は大幅安となった(DJIA -569.38 @34,299.99, NASDAQ -423.29 @14,546.68)。ドル円為替レートは111円台半ばの前日比円安水準での動きだった。本日の日本株全般は大きく下落した。東証1部では、上昇銘柄数が336に対して、下落銘柄数は1,768となった。騰落レシオは132.86%。東証1部の売買代金は3兆8556億円。

TOPIX -43 @2,038
日経平均 -640円 @29,544円

金融緩和の縮小(=テーパリング)とインフレ率が高まっていることを背景に、米国長期金利が一時1.56%と6月中旬以来の水準まで上げた。長期金利上昇が上昇すると、それに反応して割高感があるハイテク株中心に株が売られた。反対に米ドル金利上昇の恩恵を受ける米銀行株は上げた。これを受けて、本日の日本株全般は半導体などの値がさハイテク株をはじめとして大きく下げた。米金とは違い、米ドル金利が上昇してもその恩恵を受けにくい銀行株も下げた。日経平均は一時850円安まで下げた。また、自民党総裁選挙の1回目投票の結果を受けて、大企業と富裕層に寛容な新自由主義を見直そうとする、脱市場原理主義という姿勢の岸田文雄氏が新総裁になりそうになると日本株の売りが加速した。2020年の米国大統領選挙に次いで、今月26日のドイツ連邦議会選挙と「格差是正」を掲げる「左派」が勝利した。そして今日の日本は岸田氏の勝利を目前にして株安、円安、債券安のトリプル安、つまり「日本売り」となった。本日は日経平均採用銘柄の配当権利落ち分として180円くらいは下げて当たり前だったので、実質的な下げ幅は約460円である。米国の金利上昇は早晩止まり一服するはずであり、そうなれば景気敏感株を中心にまた上がるだろう。

日経平均の日足チャートを見ると、大きく窓を空けて急落して9月22日の押し目の安値@29,573円を下抜けて一時は@29,329円まで下げた。これで9月14日を起点として下方新値5本となった。これで下げ止まれば標準的な押し目である下方新値4~5本の定石通りとなるが、さらに続落するようなら定石以上の下げ圧力があるということになる。長い下ひげを引いた短陰線なので、下げ渋り感は強い。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、精密機器(1位)、電気機器(2位)、銀行(3位)、保険(4位)、機械(5位)となった。

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