木下 晃伸さんのブログ

最新一覧へ

« 前へ275件目 / 全437件次へ »
ブログ

【投資脳*海外株】中国の経済、世界の6%に拡大

■みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
経済アナリスト、木下晃伸(きのした・てるのぶ)です。

■週末、そして月末最後の「投資脳のつくり方」
(海外株バージョン)をお届けします。

各国の利下げ気運に、株価が翻弄されています。
もちろん、上昇するのはよいことですが、
利下げを果たして株高と考えてよいものなのかどうか。

■また、08年10月は歴史と記憶に残る1か月になったと思います。
目先に目を奪われがちですが、だからこそ、
長期的視野を本日は考えてみたいと思います。


※本資料の利用については、必ずプロフィール画面の
重要事項(ディスクレーマー)をお読みいただいた上ご利用ください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

●【中国】中国の経済、世界の6%に拡大[経済]
●【中国】マクロ経済景気指数、依然「青信号」維持[経済]
●【台湾】中央銀が緊急利下げ、株価は大幅上昇[金融]

※ニュース提供/NNA(http://www.nna.jp/
著者により一部文章が削除、変更されるケースがございます。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…

●【中国】中国の経済、世界の6%に拡大[経済]

国家統計局によると、中国の経済が世界経済に占める割合が、
1978年の1.8%から2007年には6%に拡大したことが分かった。
一人当たりの国民総所得(GNI)も78年の190ドルから07年の
2,360米ドル(約22万円)に増加した。

79~2007年の中国国内総生産(GDP)の年平均実質成長率は9.8%となり、
53~78年の6.1%を大きく上回った。
高度成長期だった日本の9.2%、韓国の8.5%と肩を並べた。

また、中国と世界の主要先進国との経済格差も縮まっており、
30年で中国GDPの世界順位は10位から、米国、日本、ドイツに次ぐ4位に躍進した。
昨年の中国のGDPは3兆2,801億米ドルで、
米国の23.7%、日本の74.9%、ドイツの99.5%に相当する。

世界銀行の基準よると、中国はすでに「低収入国」から、
「中の下の収入国」となった。金融時報が伝えた。<全国>

【木下コメント】
熱狂に満たされていた中国株。
それが1年を経過した時点で、
投資家に大きな損失を与える市場と化してしまった。
世界中の株式市場で起こっているように、
これからの景況感悪化が株価を不安定なものにさせている。

たしかに今は信用収縮の過程にあり、大きな下落となっている。
右を見ても左を見ても恐慌論が蔓延し、一筋の光明も見出せないようにも見える。

しかし、中国の経済成長を考慮すると、景色は大きく変わる。
GDP約330兆円の経済規模が、たとえ5%でも成長すればどうだろうか。
約20兆円規模の経済成長が見込まれることになる。
これはタイクラスの国が毎年一国ずつ出現することと同じレベルだ。

そして、信用収縮は「時が癒す」。
癒されたとき、株式市場の規模は、GDPとリンクしていく。
10年後には8%成長を継続していったと仮定すれば、GDP規模は約800兆円弱となる。

こうした将来を描き、5年、10年のスパンで考えられる国は多くはない。
すでに投資をしている人は決して悲観的になる必要はないし、
これからいよいよ投資を考えている人にとっては、短期的な変動はあろうが、
数年後に大きなリターンを得られる可能性を秘めているのが中国だ。


●【中国】マクロ経済景気指数、依然「青信号」維持[経済]

国家統計局は10月30日、今年1~9月のマクロ経済景気指数(預警指数)が
113.2ポイントと、比較的安定した状態を示す「青信号」を維持したと発表した。
1~6月は114.9ポイントだった。
同指数が120を上回ると、経済が過熱気味を示す「黄信号」となるという。

ただし一方で、指数は過去3四半期連続で落ち込んでおり、
将来の景気減速リスクが大きくなり始めたとの見方も出ている。<全国>

【木下コメント】
前項に掲載した中国がこれから伸びていく、という事例は他にもある。

コンサルティング大手の米マッキンゼー・アンド・カンパニーは29日、
2030年に中国の乗用車保有代数は2億8,700万台と世界の30%を占め、
米国を抜いて世界1位の自動車市場になるとの予測を明らかにしている。

同社は北米や欧州連合(EU)、中国、インドで
8カ月かけて現地調査を行った研究結果を発表。
報告書によると、中国はすでに米国に次ぐ世界第2位の市場となっているとして、
今後国内総生産(GDP)が年平均12%で成長を続ければ、
30年には米国を抜くと予測している。

今回の恐慌は、米国一極集中からのパラダイムシフト。
シフトする先は中国であることは、
消費のすそ野が広い自動車産業でも当てはまる。
日本は自動車で世界一を誇るトヨタ自動車を擁する。
だから、国力も高い。中国も同じ道をたどっていくことになる。


●【台湾】中央銀が緊急利下げ、株価は大幅上昇[金融]

中央銀行の彭淮南総裁は30日朝、政策金利を0.25ポイント引き下げると発表した。
米国や中国の利下げに追随したと言える。
緊急利下げを好感し、30日の台湾株式市場は
前日比約280ポイント(約6%)高の大幅続伸で引けた。

公定歩合は3%、担保付融資金利は3.375%、
コールレート(無担保翌日物)は5.25%になった。
中央銀が利下げをするのは約1カ月で3度目。

緊急利下げに踏み切った理由について彭総裁は、
例年は7月を下回る8月の失業率が今年は上昇していたことが、
経済成長減速の重要なシグナルと判断したことや、
台湾経済が海外の影響を受けやすいことを挙げた。
また貨幣政策の効果が現れるのは通常、導入から半年後だとして、
今回の利下げは予防措置との考えを示した。

【木下コメント】
30日の世界各国の株式市場は大幅続伸。
米国をはじめ各国中央銀行の利下げを好感したことが主要因だ。
しかし、本日、日銀は金融政策決定会合で、政策金利である
無担保コール翌日物金利の誘導目標を年0.5%から0.2%引き下げ、
0.3%とすることを決めたものの、日経平均株価は大きく反落した。

本来利下げは決して株高を引き起こさない。
むしろ、台湾中央銀行の彭淮南総裁が語るように
「貨幣政策の効果が現れるのは通常、導入から半年後」であり、
株価も下がるケースは多い。

今はまだ金融恐慌に対する論評が多いが、
12月、1月と世界経済をけん引してきた北米消費が、
クライマックスを迎える北米クリスマス商戦がある。
しかし、これはクライシスになる可能性も十分ある。
その兆候はすでにでている。

米調査会社コンファレンス・ボードが28日発表した
10月の消費者信頼感指数(1985年=100)は38.0と、
前月から23.4ポイント低下し、調査開始以来の最低を記録している。
まだ予断は許さない。現金を大事にする姿勢は重要だ。


■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■
 編集後記
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■

●ファンダメンタルズ

株価はファンダメンタルズを先読みする、ということがよく言われます。
しかし、私は、株価の下げがファンダメンタルズを
さらに悪化させると考えています。

では、いま株価の動きと業績動向はどうなっているのか。
大きくかい離している姿があちこちで目に浮かびます。
一方で、実際の株価下落がこれからファンダメンタルズを
さらに悪化させることを先読みしているのかもしれません。
鶏と卵の議論です。

こうしたバリュエーションの議論は、
株価が心理に左右されている場合ないがしろにされがち。
ただ、徐々に、もしくは、その逆境を乗り越えて強い企業は、
急速に反映されていきます。

良い会社をじっくり探す。
目先の変動が激しく、株価に左右されてしまう中だからこそ、
いよいよファンダメンタルズに着目していく時期がやってきたと考えています。
コメントを書く
コメントを投稿するには、ログイン(無料会員登録)が必要です。