こんにちは。動点Pです。
さっそく指数を確認しておきましょう。
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指数 値 前週比 年初来
S&P500 4432.99 -1.34% 19.79%NASDAQ総合 15043.97 -1.34% 18.47%
先週に引き続きだらだらと下がってしまいました。前週比でみるとどちらも-1.34%です。なんだかもっと下がっているような気がしてしまいますが、上がった日もありますし、1週間にならすとこの程度ということです。ここまで下がったのだから来週は上がるかも、と考える人も多いかも知れませんが、私は米国市場は来週も弱いのではないかと考えています。
この指数を確認するようになったのは5%の急落を待つためでした。1週間で5%以上下がったときにインデックスに一括投資をすれば、これまでのバックテストの結果からわりといいリターンが期待できる、とわかっているからです。もちろんこれは過去の結果であって、未来にどうなるかはわかりません。それでも、アメリカの経済はこれからも成長し続けるでしょうから、投資する価値はあると思います。
FOMC、テーパリング、雇用統計、中国の不動産大手、恒大(エバーグランデ)の利払いの不履行懸念など、経済の話題は常になにかしらあるわけですけれども。
今日は、FINRAというアメリカの企業が発表している証拠金負債残高について説明しようと思います。少し前に、「北野誠のとことん投資やりまっせ」でも紹介されていた話題かと思いますが、アメリカの証拠金負債残高が最近大きく積み上がっているようです。証拠金負債とは株を担保にお金を借りて株を買う行為の借金のことです。これがずっと右肩上がりに上がってきました。
私がデータをまとめて作図したものを添付します。赤が証拠金負債、青がS&P500の指数です。これをみるときれいに相関していますよね。この図でおもしろいのは、ドットコムバブルの崩壊、リーマンショックなどS&P500の急落が起きる直前に証拠金負債が減少に転じています。
このデータは月別に発表されていて、最新が2021年7月分まで発表されています。注目すべきことに、最新の7月分が減少に転じているんですよね。8月分はもうすぐ発表されるはずです。これが回復していないとしたらかなり危ない状態と思います。発表されたら改めてふれたいと思います。
この時系列データに対して因果性があるかどうかテストしました。グレンジャー因果性をテストしてみると、S&P500→証拠金負債 の因果性は検出されなかったのに対し、証拠金負債→S&P500 は強い因果性が検出されました。つまり証拠金負債が下がると、それについでS&P500が下がる可能性が大きいということです。個人的にはこの結果はおもしろいと思いました。
最近のS&P500やNASDAQ、あるいはダウ平均などの指数の動きをみていても、なんだか反発が弱々しく、少し上がってもすぐに下げに転じてしまうことがよくあります。少し前までは月末アノマリーといわれていた月1回の急落があっても、すぐに力強く反発してすぐに戻していました。つまり、株式市場全体に買いを入れる力が弱くなっていると考えていて、このことは証拠金負債残高が減っていることと符合します。
というわけで、S&P500などの指数は今後しばらく弱いかも知れないと思っています。すでにS&P500は25日移動平均線を下に抜け、現在50日移動平均線に触れているところです。普通は、50日線より上にあるときは上に懸けろ、というのが投資の原則のようですが、証拠金負債残高の結果をみせられると、50日線も下抜けする可能性が高いのではないかと思っています。
アゲアゲできた日本株も勢いがなくなりました。アメリカや中国の動向をみると、弱気になるのも無理はないかなと思います。中国の恒大の問題もどこまで大きくなるかわかりません。ブラックロックなどのアメリカの大手証券会社も恒大の社債を持っていることがわかってきていますし、日本の年金ファンドGPIFも少ないながら社債をもっているようです。恒大含め中国の不動産市場、そして金融市場のバブルがはじけることの影響はもしかしたら海外に波及するかも知れません。
8月末にアメリカ株は大部分売ってしまいましたし、日本株もなるべく利確してスリムにしておこうと思っています。
ではではー。