「新値14本の壁」を破ることはできなかった

優利加さん
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昨日の米国株式相場は反落した(DJIA -292.06 @34,577.57, NASDAQ -67.82 @15,037.76)。ドル円為替レートは109円台後半の前日比円高水準での動きだった。東証1部では、上昇銘柄数が329に対して、下落銘柄数は1,783となった。騰落レシオは135.99%。東証1部の売買代金は3兆1502億円。

TOPIX -22 @2,096
日経平均 -158円 @30,512円

米国では新型コロナウィルスの新規感染者数が高止まりしており、感染を恐れて幅広い業種で求職者数が増えないため、深刻な人手不足が続いている。海運をはじめとして世界的な物流停滞も続いている。米国では8月下旬以来期待インフレ率がじわじわと上昇しており、マーケットの一部はスタグフレーションを警戒しはじめた。もともと9月は米国株が下げやすいのだが、米国で景気減速懸念が高まり米国株式相場が反落し、本日の日本株全般も反落した。利益確定売りが優勢となり日経平均の下げ幅は一時300円を超えたが、ある程度下げると買い遅れていた投資家による押し目狙いの買いが入り、下げ幅を縮小した。8月30日以来昨日まで出来過ぎなくらい続伸を続けてきたので、これくらいの反落は自然である。景気テコ入れのため財政政策と金融政策ともにマネーを市場に潤沢に供給しているので世界的なカネ余りはまだ当分は続く見通しである。さらに、今のところ日本企業の今期の業績見通しは良好である。米国株式相場が大崩れしない限り、日本株も大きく崩れることはなさそうだ。

日経平均の日足チャートを見ると、昨日まで上方新値14本まで上げたこともあり、流石に今日は一休みとなった。今日のところは「新値14本の壁」を破ることはできなかった。他の指標でみても当面の一服は当然なくらい上げていた。25日移動平均線乖離率は7.6%、騰落レシオは149%。好調な業績見通しを考えると、このまま暫くは高値圏での保ち合いが続き、何かのきっかけで上放れすると見ているが、相場では常に想定外の何かが突然起こるので決め打ちは禁物である。

33業種中32業種が下げた。下落率トップ5は、不動産(1位)、証券(2位)、金属製品(3位)、繊維製品(4位)、非鉄金属(5位)となった。

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