TOPIX +16 @2,080
日経平均 +265円 @30,181円
日経平均は最近の上昇ピッチが急速過ぎることから、寄り付きは下げて始まったがすぐに切り返して高値追いとなり、これで8日続伸した。8日続伸は昨年11月2日から12日以来10カ月ぶりの連続記録となった。こんなにも速い上昇が続いている背景にあるものとして次の5つを指摘できる。(1)新しく選ばれる首相の下で経済刺激対策が打ち出されるという期待感、(2)新型コロナウィルスの感染拡大がピークアウトしている可能性が高い、(3)4~6月期の国内総生産(GDP)改訂値が速報値より高くなったこと、(4)米FRBのパルエル議長は年内に量的金融緩和を縮小(=テーパリング)する意向であることを示したが、他方、利上げは急がないとの姿勢も示したことでマーケットに安心感を与えいること、(5)予想PERが欧米株に比べてかなり低く、出遅れ感が強い。これらに加えて、今日はドル円為替レートは110円台前半の円安方向で動いることである。
今年4月以降は日銀のETF買いが4月21日と6月21日の2回のみで購入金額は1,400億円程度である。今年初めから3月までの購入額は6,000億円だった。では、その後は誰か買っているかと言うと、個人投資家である。今年4月以降、個人は1兆3268億円買い越して来た。日銀の存在感が薄れてきた一方で、個人投資家の比重が高まっているということは良い傾向である。
日経平均の日足チャートを見ると、昨日現れた「赤三兵思案星」にもかかわらず、今日も続伸した。相場に勢いがあるときは上方向でも下方向でも、止まりそうでもなかなか止まらないことがある。4月6日戻り高値@30,208円に並んだ。次の目標値は3月18日戻り高値@30,485円である。もし、新型コロナウィルスの感染拡大が明らかに下火になったとの市場のコンセンサスが形成されるようになれば、2月16日高値@30,714円もあっさり上抜けるはずである。なぜなら、その株価水準でも予想PERはまだ14.22倍に過ぎないからである。そうは言っても、25日移動平均線乖離率が7.5%まで拡大してきたので、短期的な過熱感はかなり高まってはいるが。
33業種中28業種が上げた。上昇率トップ5は、情報・通信(1位)、パルプ・紙(2位)、金属製品(3位)、銀行(4位)、サービス(5位)となった。